わが子が伸びる中高一貫校&塾 2026年入試直前版#1Photo:PIXTA

「偏差値7ポイントは逆転できる」――。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾 2026年入試直前版』の#1では、短期間で逆転合格するためのスケジュールの組み方について、すご腕のプロ家庭教師集団「名門指導会」の西村則康代表が具体的に伝授する。親子共に焦りやすい時期だからこそ、大事なのは取り組むべきことに優先順位をつけることだ。課題を取捨選択し、過去問演習の効果を高めるにはどうすればいいのか。憧れの第1志望校の合格に向けた最後の3カ月は、今まで以上に保護者の伴走が重要になる。(構成/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

取り組むべきことを「取捨選択」
偏差値10を逆転するケースも

 激戦が予想される2026年入試まで残り3カ月強となりました。「第1志望校の偏差値に届いていない」「弱点を補強したいけれど、時間に余裕がない」など不安を感じている家庭は少なくないでしょう。

 それでも過度に悲観する必要はありません。

「残り3カ月で偏差値7ポイントは逆転可能」――。これは私の長年の家庭教師経験から断言できます。大風呂敷を広げていると思われるのは本意ではないので、タイトルは「偏差値7を逆転」としていますが、実際の入試では「偏差値10を逆転」することも珍しいことではありません。なぜなら、小学6年生は入試当日まで伸び続けるからです。

 ただし、それには条件があります。取り組むべきことを「取捨選択」することです。詳しくは次ページで解説しますが、スケジュールが詰まっている中、塾の課題や弱点対策など、全てに取り組むと破綻してしまいます。

 もともと中学受験生は小学校生活を過ごしながら、塾の通常授業や宿題、テストに日曜特訓と忙しい。残り3カ月は過去問演習なども加わり、さらに時間がなくなります。

 過去問の演習も戦略的に取り組まないと、効果的ではありません。単に解いただけでは合格率の向上につながらないのです。

 また、「こんなミスをしていては合格しないよ」などご自身の焦りを子どもにぶつけるようなマイナスな声掛けも厳禁です。「時間配分を意識すればあと2問は解けたね」「落ち着いて解けば4教科で30点も点数が上がったね」など、こうすれば良くなるという小さなポイントを一緒に見つけてあげましょう。

 意味合いは一緒でも、選ぶ言葉で子どもたちのやる気は大きく違ってきます。小学6年生ですから、ご両親の影響は大きいのです。

 スケジュール管理は子どもだけでは難しい部分です。残り3カ月は今まで以上に「両親の伴走」が重要になります。

 憧れの第1志望の合格に向け、長い子であれば数年間にわたり努力を積み上げてきました。その努力を結実させるためにも「取捨選択」と「ポジティブな声掛け」を意識しましょう。

次ページでは、多くの子どもを難関校合格に導いてきた西村氏が、「残り3カ月の具体的な過ごし方」をアドバイス。逆転合格を目指すための取捨選択のコツや、志望校対策に加えて地力も高める過去問との向き合い方を具体的に解説する。また、塾では教えてくれない「過去問演習に取り組む時間の捻出」の意外な方法や、わが子の努力を短期間で得点力に変えるコツも紹介する。