揺らぐコンビニ3強 トライアルGOの衝撃#2Photo by Masato Kato

人手不足と最低賃金の上昇で、加盟店の経営はますます厳しくなっている。さらに首都圏のオーナーにとっては、トライアルGOやまいばすけっとの出店も脅威となる。では、本部は加盟店をどう支えるのか。特集『揺らぐコンビニ3強 トライアルGOの衝撃』#2では、ローソンの竹増貞信社長が、省人化と加盟店利益確保のための秘策を明かした。(聞き手/ダイヤモンド編集部 下本菜実)

無印良品と新たなヒットを
冷蔵・冷凍の食品も想定

――2025年夏の業況はどうでしたか。

 暑過ぎて、飲料の売れ行きが逆に厳しかったです。気温が35度を超えてくると日中の外出を控える方が増えるので、ソフトドリンクやルコールの売り上げが伸びないのです。日焼け止めや虫よけスプレーなども、同様の理由で例年と違う売れ方でした。

――お弁当や総菜はどうでしたか。

 ドリンクと違って、米飯はそこそこ良かった。これはやはり、ローソンの使われ方が変わってきているのだと思います。これまでは平日のお弁当需要や、週末に外出をされて、喉が渇いたからローソンでドリンクを買おうというお出掛け需要が主軸でした。

 しかし、コロナ禍をきっかけに日常使いが増えました。平日は忙しいからスーパーには立ち寄らず、ローソンで明日の朝の牛乳とパンを買って帰ろう、あるいは昼間は暑いから、涼しい朝のうちに近くのローソンに行って、野菜と豆腐を買おうとか。食については、評価いただけたと思っています。

――日用品はどのように強化していきますか。

 これまでは、雨の日に靴下をはき替えたいとか、旅行にシャンプーを持ってくるのを忘れてしまったなど、仕方なく購入される「残念購買」といいますか、「緊急購買」の傾向が強くありました。

 これを「ローソンのあれが欲しい」という指名買いに変えていきたい。すでに無印良品とは、ローソン限定の靴下を販売していて、他にも共同開発を増やしていきます。

 無印良品との取り組みは食の分野でもしっかりやっていきたい。カレーやバームクーヘンなどのヒット商品に加え、これまで展開していなかった冷蔵や冷凍の商品も想定しています。

――北九州で店舗数を増やしている「トライアルGO」が、この秋から首都圏に進出します。また、まいばすけっとは30年までに現在の約2倍となる2500店舗への店舗数拡大を計画しています。また、まいばすけっとは30年までに現在の約2倍となる2500店舗への店舗数拡大を計画しています。彼らをどのように分析していますか。

次ページでは、首都圏に進出する「トライアルGO」のほか、競合との一騎打ちについて言及するほか、KDDIと開発を進める省人化ロボットや「ハッピー・ローソンタウン」のまちづくり構想を明かす。