
日経平均、8月18日には終値4万3714円
26年度の「業績V字回復」を先取り
日経平均株価は8月13日、史上最高値を付けると、15日、さらに18日と最高値を更新、TOPIX(東証株価指数)も連動して高値を更新した。
日経平均株価は18日に4万3714円31銭(終値)を付けた後も、一時反落したものの9月に入ってからも4万2000円前後を維持している。
TOPIXも7月24日に約1年ぶりに最高値を更新した後も上昇し、8月18日には3120.96ポイント(終値)とさらに最高値を更新した。
米トランプ政権が打ち出した相互関税を巡り、7月下旬以降、米国と日本、欧州連合(EU)、中国などとの間の見直し交渉の“合意ドミノ”等をきっかけに投資家心理が和らいだことが大きな要因だ。日本、EUに対する相互関税の上乗せ税率は15%に引き下げられたことや、中国とも適用猶予期限が11月まで再延長されるなど、協議継続で合意したことが好感された格好だ。
だが一方、同時期に発表された日本企業の最新の2025年度の業績見通し(2月・3月決算企業約750社の純利益合計額)は、会社自身の予想が前年度比9.7%減、市場の予想も4.1%減とさえない内容だ(図表1)。
日本は相互関税や自動車関税が25%から15%に引き下げられることになったとはいえ、昨年度よりも税率が上がることに変わりはなく、輸出企業を中心に業績が圧迫されるのは当然といえよう。
ところが、この業績見通しを受けて日経平均、TOPIXともに株価上昇に弾みがついた(図表2)。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げを再開するといった観測が高まったことなども株価を押し上げたが、株価上昇の最大の要因は、26年度の「業績V字回復」を先取りしたことがある。
将来への楽観論から株価が上昇した例は過去にもなくはないが、取らぬたぬきの皮算用とならないか。「落とし穴」もある。