世界的な超金融緩和政策による「過剰流動性」が、新興国株高・同通貨高、コモディティ高を招来し、先進国の株価にも恩恵を与えている。

 昨秋のリーマン破綻以来、世界のポートフォリオマネジャーは、債券と現金のウエートを高めて嵐に備えていた。しかし、各国の財政・金融政策の発動によって信用リスクは低下し、リスクアセットのウエートを徐々に復元させつつあるようだ。

 こうした資産配分の変更が、冷静に行なわれている間はよい。しかし、世界中に「金余り=過剰流動性」というガソリンはまき散らされており、ファンダメンタルズを逸脱した需給相場の芽が育ちつつある。

危機対応策が材料株急騰を演出か

 特に、日本・兜町の相場を見ると、信用リスクを表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドが高い銘柄ほど、株価が急騰するという異常な事態となっている。