総予測2026Photo by Yuji Nomura

財閥系商社の一角である住友商事は、2025年に相次いで巨額の投資案件を発表した。資産入れ替えで着実に純利益を伸ばしつつ、強みとなる「8事業」を軸に今後さらなる「新陳代謝」を図る。特集『総予測2026』の本稿では、かじ取り役である上野真吾社長に成長への勝ち筋を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)

競争優位性のある8事業を重視
SCSK完全子会社化の勝算は?

――2025年10月29日にグループのIT企業SCSKの完全子会社化に向けてTOB開始しました。その狙いと勝算は?

 当社は現在、3カ年の中期経営計画の真ん中にいます。ここでの戦略の中心にあるのは、住友商事の強みを生かし、経営資源を集中投入して競争優位性のある事業を磨くことです。

 具体的な事業としては鉄鋼、建機、リース、都市総合開発、デジタル、ヘルスケア、アグリ、エネルギートランスフォーメーションの「成長8事業」を指します。SCSKのみならず、25年9月に発表した米国航空機リース大手エアリースの買収も、この戦略に合致した取り組みです。

 デジタル、AIの急速な進展に対し、われわれが先んじてその変革を進めていくためにも、SCSKを完全子会社化した上で成長を後押しして時代の波に乗り、先端を行きたいという思いがありました。

 住友商事の強みは現場にあります。IT企業、大規模なクラウドサービスを構築・運用するいわゆるハイパースケーラーと現場の力の掛け合わせによって産業、業界を変革させてビジネスは進化していきます。その戦略を打ち立てるためにSCSKが不可欠でした。

 SCSKは13期連続で最高益を更新し、独自で成長を続けてきました。そんな同社が、完全子会社のネットワンシステムズとの経営統合を発表しました。統合で得られるシナジーを出すため、一刻も早くフルサポートをしていきたいです。

「成長8事業」の要となるSCSKの完全子会社化に加え、米国航空機リース大手の買収など、25年に巨額投資を断行した住友商事。次ページでは、純利益6500億円達成へのシナリオに迫る。保守的なイメージが強い住友商事が最近、巨額投資を重ねている深い理由とは?上野社長が「社内の変化」を明かす。