総予測2026Photo by Tohru Sasaki

生成AI(人工知能)向けの高速・大容量半導体を巡る競争が激化する中で、半導体材料大手のレゾナック・ホールディングスが、半導体関連の日米欧の有力企業と企業連合「ジョイント3」を発足させた。特集『総予測2026』の本稿では、レゾナックの高橋秀仁社長を直撃し、ユニークな連合体を発足させた狙いや今後の展開を明らかにしてもらった。また、同社が今後展開を広げる事業領域や、うわさされている同業のJSRの買収の可能性、「日の丸半導体」ラピダスとの連携の可能性についても聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 金山隆一)

レゾナックがグローバル企業連合を発足
日米欧の有力な半導体企業27社が連携

 レゾナック・ホールディングスは今秋、半導体関連の日米欧の有力企業との企業連合「ジョイント3」発足を発表した。ジョイント3が挑むのは、生成AIなど高速大容量のデータ処理を支える半導体の後工程技術(パッケージング)の革新だ。

 焦点は、複数のチップをつなぐインターポーザー(複数の半導体チップを接続する中継基板)の新構造開発にある。これまで丸いシリコンウエハーから切り出していたものを、感光性絶縁材や封止材などの有機材料を使った四角いパネルに置き換える。

 510ミリ×510ミリのパネルから24枚、従来の丸いシリコンウエハーから作る6倍のインターポーザーを無駄なく切り出せる計算で、実現すれば生産効率とコスト競争力を大幅に高められる。課題は、大型化に伴う反りや平たん性の確保。2030年までの5年間で成果をまとめ、各社が自社技術に反映させる構想だ。

 ジョイント3の特徴は顔触れの広さと深さにある。前工程(半導体の回路を作る工程)の装置メーカーでは東京エレクトロン、キヤノン、米アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ(オーストリア)が加わり、後工程(チップを組み立て封止する工程)ではTOWA、ASMPT(シンガポール)、材料ではレゾナック、AGC、東京応化工業、米スリーエムなどが参画する。

 半導体の製造装置、材料、設計をまたぐこの連携体制は、工程の垣根を越えた民間主導の「国際プラットフォーム」をつくる取り組みだ。国家プロジェクトではなく、企業がリスクと資金を分担し、自ら競争力を高めることを狙う。

次ページでは、静かに動きだした“国境を超える実験”といえるジョイント3の発足の狙いに加え、今後どう発展させていくのかについてレゾナック・ホールディングスの高橋秀仁社長に聞いた。また、うわさされるフォトレジスト(感光剤)で世界トップシェアのJSRの買収の可能性や日の丸半導体ラピダスとの連携の可能性についても聞いた。