【化学87人】1億円以上稼ぐ取締役・実名年収ランキング!トップは8.5億円…三菱ケミ、住友化学、三井化学、旭化成、レゾナック、信越化学の幹部の報酬はいくら?

実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?幹部の報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名!上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#1では、化学業界の報酬ランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

化学業界は年収1億円以上が87人!
高機能化学品で世界シェアトップ企業も

 中国の化学品の過剰供給や脱炭素対応などで、化学業界は大激変の真っただ中にある。

 石油化学産業では、主要化学メーカーが再編に乗り出し、東日本では千葉や川崎でエチレン製造設備を集約する方針が固まり、西日本でも三菱ケミカルグループ(G)と三井化学、旭化成が3社による再編を目指している。

 一方、半導体関連の材料など高機能化学品では、グローバルでのシェアが高い素材を抱える化学メーカーも少なくない。代表例が塩化ビニール樹脂や半導体用シリコンウエハーで世界シェアトップの信越化学工業だ。同社は2025年3月期の営業利益が前年同期比6%増の7421億円となった。

 また、旧日立化成を買収した旧昭和電工が前身のレゾナック・ホールディングスは、石油化学事業の部分分離を実行し、半導体向け材料の会社に脱皮中。総合化学メーカーでは、住友化学や三井化学なども半導体関連の材料を成長の柱に据える。

 新興勢力も台頭している。ソニーグループで半導体デバイスの材料などを手掛けてきたソニーケミカルが前身のデクセリアルズは、ディスプレー用の光学弾性樹脂などの製品で世界シェアトップを誇る(『世界シェア首位の化学材料を持つデクセリアルズ社長が「今の株価は割安だ」と断言!将来を“予見”する製品開発術と売上高1.5倍に向けた次の成長領域を徹底解説』参照)。

 化学業界では、各社の優勝劣敗が鮮明になりつつある。そんな化学業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか。

 ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載し、それらに「見合う年収」を得ているかが分かる。

 集計の結果、化学業界で「年収1億円以上」は87人いることが判明した。全業界の平均が38.7人を大きく上回る。トップの年収は8億5300万円だった。

 上記で紹介した信越化学、三菱ケミカルG、住友化学、旭化成、三井化学、レゾナックといった総合化学大手のほか、日本ペイントホールディングス、DIC、東ソー、太陽ホールディングス、ダイセル、積水化学工業、日東電工、カネカ、ADEKA、日本ゼオン、日本酸素ホールディングスといった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。