カスタマージャーニーに寄り添う
「価格設計=プロダクト設計」の思想
価格は、プロダクトが完成した後に付けられる「値札」ではありません。それは、プロダクトの企画・開発段階から一体で設計されるべき、コア機能の一部です。なぜなら、価格体系そのものが、顧客の利用体験(UX)を大きく左右し、顧客を成功へと導く「ガイド」の役割を果たすからです。
マーケティングの古典的なフレームワークとして知られる「4P」は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つの要素から構成されます。現代のデジタルプロダクトの世界で、これらの要素はもはや、それぞれが独立した存在ではありません。
中でも特に、プロダクト(製品)とプライス(価格)は完全に一体化しているといえます。デジタルプロダクトは、顧客からのフィードバックや市場の変化に合わせて継続的に改善・更新されます。そのため、プロダクトの進化に合わせて柔軟に価格戦略を調整することは不可欠です。
この思想を最も体現しているのが、顧客の習熟度や利用規模に応じて価格プランを設計するアプローチです。顧客は一夜にしてヘビーユーザーになるわけではありません。プロダクトの価値を徐々に学び、信頼を深めていく「旅(ジャーニー)」を経験します。優れた価格設計は、その旅路(カスタマージャーニー)に寄り添い、次のステップへと自然に導きます。







