生成AIの普及は
社会をどう変えるのか?

――生成AIの普及によって、就活や社会人生活にはどのような変化が起きているのでしょうか。

 矢野経済研究所が、日本企業における生成AI活用状況を調査(2024年6-8月調査、2025年2月発表、民間企業449社が対象)※1したところ、その時点で生成AIを全社的に導入・活用している企業はわずか4%に過ぎない。

 約74%の企業は導入すらしておらず、一部の部署では活用しているという会社が約22%。

 これは、導入の必要性は感じているものの、具体的な活用方法が分からないという企業が多いということですよね。

 また、別の調査※2ですが、世代別のAI利用使用状況では、25〜34歳では、その上の現役世代よりも使用率が低い。

 若い人は頭が柔軟で適応力が高いと思われがちですが、実際は仕事の経験が浅いため、目の前の業務で精一杯で、AIの応用可能性まで考える余裕がない。未熟すぎるがゆえに、新しい技術をどう活用すればよいかという発想すら生まれない。

 さらに別の調査※3では、日本企業1万7000社を対象とした大規模調査によると、現時点で生成AIを全社的に導入・活用している企業はわずか5%に過ぎない。約8割の企業は導入すらしておらず、残りの17%は導入したが使っていません。経営層はよく使っている一方で、若手社員ほど使っていない。

 つまり、経営層は危機感を持って導入を推進し、自分でも実際に使っていますが、そのスピリッツが会社の隅々まで浸透していないことがうかがえます。

※1 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3783
※2 https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/documents/0256.pdf(p.26右上の年齢層別グラフ)
※3 https://www.intage.co.jp/news/5169/ インテージ「生成AIのビジネスへの活用状況に関する調査」