写真はイメージです Photo:PIXTA
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2026」の「『奨学金返還支援制度』を導入する企業が急増中」を転載したものです。
バブル崩壊により奨学金返還が社会問題化して久しいが、奨学金の給付や貸与を行う日本学生支援機構(JASSO)は、返済を厳格化する一方で「奨学金返還支援制度」を制定した。奨学金を借りている学生たちにどんなメリットがあるのか。各企業の導入内容を見ながら、詳細を解説する。(取材・文/DimaondWeekly事業室 編集チーム)
従業員だけでなく企業にもメリット
税制上・社会保険上の優遇措置
奨学金返還が社会問題化した背景には、大学進学率上昇に伴う奨学金利用者の急増や、バブル崩壊後の経済、非正規雇用の増加がある。
2004年に設立された日本学生支援機構(以下JASSO)は、奨学金の給付や貸与に加えて、奨学金返還支援や救済策も行う総合学生支援機関だ。
月々の支払額の減額や停止を認めて返還期間を延長する「減額返還制度・返還期限猶予制度」を拡充し、所得が一定以下なら返還期限を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金制度」を制定。20年には返済の必要がない「給付型奨学金」を創設した。
一方、返済管理は設立以来、年々厳格化。延滞金を課し、長期延滞者は信用情報機関に登録、訴訟や差し押さえも実施している。JASSOの奨学金を借りている大学生の1人当たりの平均貸与総額は約330万円(※)。負担は大きい。
このような中、21年4月に開始されたJASSOの「返還支援(代理返還)制度」は、奨学金の返済を背負う従業員だけでなく、導入企業にもメリットが大きい。制度を利用すれば、企業は従業員の奨学金をJASSOに直接支払えるため、企業も従業員も共に税制上・社会保険料上の優遇措置を得られるからだ。
具体的には、社員は所得税が増えずに社会保険料も低減されたまま奨学金を返済でき、企業は福利厚生の一環として支払った奨学金の返済額を損益に計上できるのだ。
※JASSO「奨学金事業に関するデータ集」(令和7年度版)







