粉飾という「麻薬」の代償
うその数字で会社は守れない

 今回のAFS社の事案から、私たちは何を学べるでしょうか。

 一つは、「不自然な利益には必ず裏がある」ということです。

 本業が苦しいはずなのに、突然不動産の売却益が出たり、期末ギリギリに大量の売り上げが立ったりする場合、そこには無理な操作が隠されている可能性があります。

 特に、取引先が「関連会社ではないが、関係が深い会社」である場合は要注意です。

 もう一つは、「頻繁に監査法人が交代する会社には何かある」ということです。

 経理や経営の現場において、監査法人とうまくコミュニケーションが取れていない、あるいは監査法人を「だまそう」とする姿勢が見えた時点で、その企業のガバナンスは機能不全に陥っているといえます。

 経営陣は「会社を守るため」「社員を守るため」と思って不正に手を染めたのかもしれません。しかし、うそで塗り固められた数字で守れるものは何一つありません。

 結果として、多くの株主に損害を与え、上場企業という看板だけでなく、社会からの「信用」を失いました。
ビジネスにおいて、誠実さこそが最大の防衛策……AFS社の転落劇は、その重みを私たちに突きつけています。

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