「月15時間はサービス残業」
建設業界で発生する新たな課題

 25年時点の建設業界の平均残業時間は約30時間と、全業界平均(約23時間)より依然として長いものの、その差は着実に縮まりつつある。実際に働く人々の声からも、「現場や部署による差はある」と前置きしながらも、フレックスタイム制度の導入や男性の育児休業取得など働き方が良い方向に変わってきたと実感する、以下のようなクチコミが多く見られる。

「時間外労働規制が2024年から適用され、以前と比べて帰宅時間は早く業務の分散も進んでいると思われる。外勤はなかなかギリギリの状態でやっている現場もあるようだが、振替休日などを適宜取得しているケースが以前と比較して圧倒的に増えたと感じる」(設計、25年1月投稿)

「在宅勤務、フレックス勤務の制度も整備され、長時間労働を強要する雰囲気も改善されてきており終電まで働く、と言う事はほぼ無くなった。ここ数年で働きやすさは相当良くなっていると思う」(設計、25年4月投稿)

「現場によりますが、最近では早番・遅番制や代休取得促進など残業時間を減らす取り組みが行われています。徐々にではありますが、働きやすい環境になってきているのではないかと思います」(施工管理、25年7月投稿)

「部署にもよるが有休なども積極的に取得が推奨されていて、フレックスなどの制度も一般的に活用されている。育休なども取得しやすい」(企画、25年9月投稿)

 一方で、急速な改革の影響として新たな課題も浮かび上がっている。サービス残業の発生や、部署・役職による負担の偏り、企業や個人の意識の差を指摘する声は少なくない。クチコミには、「人手不足の中で残業削減を求められるが、工期は変わらず、結局どこかの現場にしわ寄せがいく」といった切実な意見も寄せられている。

 現在の建設業界は、まさに改革の過渡期にある。個々の企業や現場の努力だけでは限界があり、発注者から協力会社まで、多層的に関わる業界全体での取り組みが欠かせない。適正な工期の設定や技術導入を含め、業界全体で働き方の改善を考え続けることこそが、真の課題解決につながる鍵となりそうだ。

「毎月60時間は残業するが36協定の関係上、月の残業時間は45時間に抑える必要があり、月15時間はサービス残業となる」(施工管理、25年7月投稿)

「残業時間について、主任以下の非管理職は45時間/月の徹底はしっかりとしているが、その反面課長代理以上の管理職は何時間働いても問題ない(働くしかない)という実情があり、100時間を超える残業が何ヶ月続いていても問題視されない」(施工管理、24年12月投稿)

「内勤と外勤だと大きく労働環境が異なる。労働基準法の改正がされたが外勤は相変わらず長時間労働が多い。また休日労働も結構ある。内勤部門は部門にもよるが、そこまで残業は多くない」(技術、24年12月投稿)

「残業時間が多く、職人さんと話すのに疲れてしまった。自社内の働き方を変える意識は大きく変わってきていると思うが、一緒に工事を進めていく職人さんたちの意識はまだまだ昔のままで、私はそこに合わせていくことが難しく感じた」(施工管理、24年12月投稿)