5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」 氷河期、バブル…どの世代が損をした?#15Photo:SANKEI

損害保険大手3社は、海外事業や国内の火災保険の利益を追い風に、2025年4~12月期にそろって最高益を更新した。一方で、旧ビッグモーター問題やカルテル問題を受け、損保のビジネスモデルは抜本的な構造改革の真っただ中にある。今回は東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングスを取り上げる。損保大手3社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#15では、過去20年間を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクの推移を独自に試算した。その結果、MS&ADとSOMPOは若手世代が「勝ち組」となった一方、東京海上だけは別の世代が最上位となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

最高益でもルール激変の損保3社
信頼回復と競争再設計の真っただ中

 損害保険大手3社の2025年4~12月期決算は、そろって最高益となった。海外事業や国内の火災保険が収益を押し上げ、東京海上ホールディングス(HD)は8992億円、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは6571億円、SOMPOホールディングス(HD)は5183億円の純利益を計上した。数字だけ見れば、損保3社はなお強い。

 だが、業界の土台は大きく揺れている。旧ビッグモーター問題や共同保険カルテルを受けて、保険募集のルールが大きく変わろうとしている。とりわけ影響が大きいのが、比較推奨販売ルールの大幅な見直しだ。複数の保険商品の中から顧客の意向に沿って商品を提案するルールが厳格化され、自動車ディーラーなどに定着していた「テリトリー制」の廃止へと動いている。

 さらに、大企業向けの共同保険では、各社が横並びの保険料率で契約する日本独特の商慣行からの脱却が進み、損保ごとに異なる保険料率を提示する新方式の提案も始まっている。MS&ADは、傘下の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の合併も来年4月に控えており、信頼回復とビジネスモデル改革が同時並行で進む局面にある。

 足元で損保大手3社の業績は良い。もっとも、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」で、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回は東京海上HD、MS&AD、SOMPO HDを取り上げる。3社の中で年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60代と70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、3社ともシニア世代が割を食う構図となった。一方、「勝ち組」の顔触れは分かれた。MS&ADとSOMPO HDは若手世代が優位となったが、東京海上HDだけは別の世代が最上位だった。次ページでその詳細を確認しよう。