5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」 氷河期、バブル…どの世代が損をした?#28Photo:Bloomberg/gettyimages

物価高と節約志向の長期化で、小売り大手の経営戦略は大きく分かれている。セブン&アイ・ホールディングスはコンビニ専業化を進めながら主力事業の立て直しを急ぎ、イオンはツルハホールディングスの連結子会社化やプライベートブランドの拡大で営業最高益を更新した。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは国内・北米を軸に最高益を更新し、ニトリホールディングスは家具需要の低迷と物流コスト上昇に直面している。こうした4社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#28では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、セブン&アイとニトリはOB世代が優位だった一方、イオンとファストリは若手の社員が勝ち組となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

物価高でも稼ぎ方は4社4様
再編、PB、海外成長、商品改革で明暗

 小売り大手4社は、インフレ下で強まる節約志向に同じように向き合っているように見えても、実際には「何で稼ぎ、どこを伸ばし、どこを立て直し、次の柱を何にするか」がかなり違う。

 まずセブン&アイ・ホールディングスは、2026年2月期の純利益が2927億円と大幅増益となった。ただ、これはスーパー事業などを束ねるヨーク・ホールディングスの再編に伴う譲渡益が大きく、国内コンビニは増収でも営業減益、北米は減収だった。27年2月期は純利益2700億円と減益見通しで、米子会社のセブン-イレブン・インクの上場延期も決めている。コンビニ専業化の道筋を描きつつ、本業の回復はなお道半ばだ。

 一方、イオンは営業収益が10兆7153億円、営業利益が2704億円となり、いずれも過去最高を更新した。ツルハホールディングスの連結子会社化などで純利益も大きく膨らみ、27年2月期は営業利益3400億円を見込む。成長の柱として前面に出ているのは、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の拡販やディベロッパー事業だ。総合スーパーの収益性には課題が残るが、グループ再編とPB強化で利益体質を底上げしようとしている。

 ファーストリテイリングは好調さが際立っている。25年9月~26年2月期の売上収益は2兆0552億円、営業利益は4006億円で、同期として過去最高を更新した。国内ユニクロ事業も堅調だが、成長の主役は海外ユニクロ事業である。とりわけ北米と欧州が2桁の増収増益を続け、通期予想も上方修正した。

 ニトリホールディングスは逆に苦しい。25年4~12月期の売上収益、営業利益、純利益はいずれも前年同期を下回った。家具・インテリア市場の低迷に加え、原材料高や物流コスト増が重荷となったためだ。客数の減少を受けて商品開発体制を見直し、新商品の比率を高める改革を急ぐ一方、海外では出店を続けて反転攻勢を狙っている。

 この4社は、同じ小売り大手に見えても、事業再編を進める会社、PBで稼ぐ会社、海外で稼ぐ会社、商品改革で立て直しを図る会社に分かれている。もっとも、足元の業績や事業環境がどうであれ、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回はセブン&アイ、イオン、ファーストリテイリング、ニトリを取り上げる。4社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、イオンとファーストリテイリングは若手の社員が勝ち組となった。一方、セブン&アイとニトリはOB世代が最上位で、4社の構図はきれいに分かれた。次ページでその詳細を確認しよう。