Photo by Norihiro Okawa
資源安や円高の逆風が吹く中でも、伊藤忠商事の稼ぐ力は際立っている。同業他社が減益に沈む中、2025年4~12月期の純利益は7052億円と3年ぶりに過去最高を更新し、増益を確保した。けん引役は食料や情報・金融などの非資源分野だ。では、高待遇で知られる同社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#21では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、シニアが割を食い、「勝ち組」が若手世代となる構図が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
非資源が稼ぐ伊藤忠の強さ
最高益でも次の成長を問う局面
伊藤忠商事の2025年4~12月期の純利益は前年同期比4.3%増の7052億円となり、同期間として3年ぶりに最高益を更新した。ライバルの三菱商事や三井物産が資源安に苦しみ減益となる中、伊藤忠の強さが際立っている。
業績をけん引したのは食料や情報・金融などの非資源分野だ。非資源の純利益は6134億円と過去最高を更新し、連結全体に占める比率も88%まで高まっている。資源価格の下落や円高の影響をうまく吸収した格好だ。
ただ、盤石というわけではない。本業の稼ぐ力を示す「基礎収益」はわずかに減少し、原料炭やパルプ事業などの低迷が重荷となった。それでも同社は最大200億円の自社株買いを追加し、26年3月期の自社株買い総額を1700億円まで積み増した。26年1月には株式の5分割も実施しており、株主還元を強化していく構えだ。
もっとも、足元の業績が良いからといって、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
今回は伊藤忠商事を取り上げる。同社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、伊藤忠商事は若手世代が最上位となる一方、シニア世代が割を食う構図が浮かび上がった。次ページでその詳細を確認しよう。







