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“野党主導”の26年度税制改正
国民民主は完勝!?衆院解散で変わるか!?
高市政権になって初めてとなった2026年度税制改正では、「強い経済」実現を図る投資減税拡充や、AI・先端ロボットなどの重点産業分野に別枠の税額控除を設ける研究開発税制拡充など、高市色が一部に盛り込まれた。
だが大半は、「年収の壁」問題での所得税の課税最低限引き上げやガソリンの旧暫定税率廃止など、野党の要求を反映したものになった。
とりわけ今回の税制改正プロセスの最大の“勝者”は、国民民主党だったといえる。要求していた下記4項目がすべて実現した点で、「完勝」ともいえる結果ではないだろうか。
1)ガソリン減税(揮発油税等の旧暫定税率部分の廃止)
2)「178万円の壁」の撤廃
3)自動車税「環境性能割」の廃止
4)法人税の「大胆な設備投資減税」
逆にいえば、自民党が大幅に国民民主党に譲ったことで、これらの減税が実現したといえる。減税要求が一挙に通ったのは、異例ともいえる。
いかに自民党が国民民主党との連携を重視しているかを示すが、それでも通例ならば財源の手当てが同時に検討されるはずだ。だが今回は、明確な財源の手当てが決まらないまま減税だけが先行決着した点でも異例だ。
背景には、自民党と日本維新の会が少数与党(衆院では選挙後に過半数を満たしたが、参院では依然として少数)であるため、政権安定化のために国民民主党の要求を実現し、その実質的な「与党化」を図りたいという自民党側の意向があった。
そのためには、「税制の論理」にこだわっていられない。「税制の論理」とは、「税制は財源を調達することが役割だ、減税なら代替財源を用意しなければならない」、「支払い能力に応じて負担をお願いするのが筋で、負担能力のある者に財政を犠牲にしてまで必要以上の減税は行わない」「政策効果の明確な減税は推進するが、そうでない減税措置は廃止・縮小する」といった内容を含む。
しかし今回の税制改正では、国民民主党の要求が無理筋を含んでいたとしても丸のみし、相手が成果として誇れるようにすることが優先されたようだ。背景には、今後の協力に期待する高市首相の判断があったからだと報じられている。
ところが一転して1月19日、高市首相は、自らや維新との連立の信を問うとして23日召集予定の通常国会冒頭で、衆院を解散する意向を表明した。野党の取り込みよりも自民党の議席増を図り政権基盤の強化を狙う思惑のようだ。
税制改正案の国会審議は、選挙後に先送りとなる。首相の思惑通り、与党が安定多数を得ることになるのかどうか読めないが、仮にそうなったとして、「税制の論理」が重視されることになるかは、はっきりしない。







