富裕層必見! 資産防衛&節税術Photo:PIXTA

ある日突然、「○○税務署から『相続税の申告内容についてご確認させてほしい』という連絡があった」と、あなたの顧問税理士から一本の電話が入る。それは「調査の通知」を意味する。富裕層であれば誰しも相続が発生した瞬間から、この連絡が来る可能性がある。税理士に依頼していないならば、税務署から直接連絡があるが、多くの人は実態を知らないまま、税理士任せにして泣きを見るのが実情だ。連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第21回では、国税庁の最新データと調査現場の実態に基づいて、「今」の相続税調査がいかに「精密射撃」に進化しているかを明らかにし、その防衛策を伝授する。「知る」ことこそが、最大の「防衛策」なのだ。(税理士法人チェスター東京本店代表 河合 厚)

所得税の30倍の確率で調査に!
「相続税調査」の異常な捕捉率

 まず、国税庁が2025年12月に発表したデータを見てみよう。

 24年度の相続税の実地調査件数は9512件、23年度の申告件数15万5740件に対して実地調査率(実調率)は6.1%に達した。「たかが6%」と思うかもしれないが、所得税の実調率が0.2%、法人税2%、消費税3%程度であることを考えれば、その異常さが分かる。相続税は、所得税の約30倍の確率で本格的な調査が行われているのだ。

 さらに見逃せないのが、「簡易な接触」の急増だ。実地調査(実際に税務署員が自宅などに来訪する本格的な調査)には至らないまでも、書面や電話で「申告内容の確認」を求める接触件数は2万1969件。前年度比17%増という急増ぶりだ。実地調査と簡易な接触を合計した「接触率」は20.2%と、実に申告件数5件に1件が何らかの形で当局から接触を受けていることになる。

 では、調査に入られたらどうなるのか。次ページでは、その脅威の「指摘率(申告漏れや誤りの指摘)」と共に、富裕層の財産を直撃する、そのダメージを検証しよう。