米国とイランの停戦合意後の協議でホルムズ海峡の航行の安全は確保されるのか。 Photo:AFP PHOTO / © 2026 PLANET LABS PBC
米国とイランの2週間停戦合意を受け、市場では株高・円高・原油安が進んだ。ダイヤモンド編集部は為替の専門家6人にアンケートを実施し、紛争の収束時期を3つのシナリオに分けて、2026年末までのドル円、ユーロ円、日米欧の政策金利などの見通しを聞いた。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
イラン停戦合意で「有事のドル買い」巻き戻し
市場は円高・株高・原油安で反応
4月8日、米国とイランの間で2週間の停戦がまとまった。パキスタンのシャリフ首相がSNS「X」(旧ツイッター)で停戦を呼びかけ、米国のドナルド・トランプ大統領もこれを受け入れたことを明らかにした。イラン側も、ホルムズ海峡の航行再開を条件とする攻撃停止を受け入れており、土壇場で大規模攻撃は回避された。
これに先立ち、トランプ大統領は米東部時間7日午後6時32分、イランがホルムズ海峡の「完全かつ即時の安全な開放」に応じるならば、イランへの爆撃・攻撃を2週間停止するとSNSに投稿していた。もともとは同日午後8時までに海峡を開放しなければ、橋や発電施設などへの攻撃に踏み切ると警告していたが、その期限直前に方針を転換した。
市場はこの展開を歓迎した。原油価格は急落し、株価は上昇。「有事のドル買い」の巻き戻しでドルは下落、円は対ドルで上昇した。
日本時間8日11時時点で、WTI先物は1バレル=110ドル台から90ドル台半ばまで急落した。ニューヨークダウの先物は前日の現物終値より1000ドル以上値上がりし、4万7000ドル台後半で推移している。円の対ドルレートは1ドル=159円台から158円台へと円高に振れた。8日の日経平均株価は前日比2878円高の5万6308円で引けた。
今回の停戦“合意”は、あくまで「恒久和平」に向けた交渉入りのための一時停止に過ぎない。イランは恒久的な戦争終結や制裁解除などを含む10項目の条件を示しており、トランプ大統領はこれを「交渉の実行可能な基盤」と評価している。とはいえ、これで恒久的停戦へ向けてすんなり協議が進めばよいが、まだ予断は許さない。情勢はなお流動的だ。
今後の米国・イスラエルとイランを巡る紛争が、為替相場にどのような影響を及ぼすのか。
ダイヤモンド編集部は専門家6人にアンケートを実施し、イラン紛争の収束時期のメインシナリオと、円の対ドル相場、対ユーロ相場の見通しについて分析した。(関連記事は『イラン情勢“有事のドル買い”で「1ドル150円台半ば」の円安定着?円相場を為替の専門家6人が徹底予測!』を参照)。
今回の2週間停戦がそのまま恒久停戦につながる保証はない。ホルムズ海峡の安定的な再開や制裁解除協議の行方、イスラエルを含む戦闘停止の実効性など、不透明要因は多い。紛争の収束時期についてはなお見方が分かれており、それによって為替相場の見通しも大きく変わってくる。
今回は、4月中に収束する「短期」、米国の中間選挙前の10月中旬ごろまでに収束する「中期」、終結のめどが立たず年をまたぐ「長期」の3パターンについて、それぞれ2026年6月末と12月末時点の円の対ドルレート、対ユーロレート、日米欧中央銀行の政策金利動向の予想など、識者6人へのアンケートの詳細を次ページで一挙公開する。







