しずおかフィナンシャルグループと名古屋銀行は、経営統合に関する基本合意について記者会見を開いた。左から、静岡銀行の八木稔頭取、しずおかFGの柴田久社長、名古屋銀行の藤原一朗頭取 Photo by Yasutaka Nagayoshi
静岡銀行を傘下に持つしずおかフィナンシャルグループ(FG)と名古屋銀行は3月27日、経営統合に関する基本合意書を締結した。統合は2028年4月1日をめどに、新たな持ち株会社の下に静岡銀行と名古屋銀行を置く2バンク体制とする。長らく県内トップ地銀として君臨してきた両行が、なぜ統合に至ったのか。長期連載『金融インサイド』では前・後編で、その背景や全国の地銀への影響を読み解く。後編の本稿では全国の地銀界への再編影響について、大手地銀トップの発言や金融庁幹部が取材で明かした内容を基に検証する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
大手地銀トップで相次ぐ強い再編意欲
金融庁幹部は第二地銀への再編影響に言及
「名古屋銀行が新たな持ち株会社の傘下に入り、名実共にしずおかフィナンシャルグループ(FG)による“大が小をのみ込んだ”経営統合といえる」
銀行セクターを担当するSBI証券の鮫島豊喜アナリストは、しずおかFGと名古屋銀行の経営統合に関する会見を受け、そう総括した。
両行合算の規模は、総資産で22.1兆円(2025年12月31日時点)、時価総額で1兆7506億円(26年3月19日時点)に達する。統合が実現すれば、全国屈指の地域金融グループが誕生することになる。
しずおかFGは時価総額が既に1.5兆円規模であり、全国有数の地方銀行グループだ。それでも今回、包括業務提携を結んでいた名古屋銀行を傘下に収める統合を実現させた。経営統合で設立予定のちばフィナンシャルグループや群馬新潟フィナンシャルグループに続く大型再編である。
こうした大手地銀による経営統合は、今後さらに加速しそうだ。
というのも、今年に入ってSBI証券が主催した地銀セミナーでは、大手地銀トップによる再編への強い意欲が相次いで語られていたからだ。第四北越フィナンシャルグループ(FG)との経営統合を進めているさなかの群馬銀行・深井彰彦頭取まで「近隣には複数の銀行があり、当行のグループに加わりたいと思ってもらえることが理想である」と発言するなど、さらなる経営統合への野心を隠さなくなっている。しずおかFGの柴田久社長や横浜フィナンシャルグループ(FG)の片岡達也社長も、規模拡大や再編への意欲を口にしていた。
次ページでは、しずおかFGが名古屋銀行を傘下に収めた狙いに加え、こうした大手地銀トップの発言を基に今後の再編動向を検証する。さらに今回の経営統合を受け、金融庁幹部が明かした第二地銀への再編影響に関する見解を基に、全国の地銀界に広がる波紋を読み解く。







