Photo by Yasuo Katatae, Yuiki Okusa
ファミリーレストランのガストなどを運営する外食大手すかいらーくホールディングス(HD)が3月末、炭火焼干物定食「しんぱち食堂」を110億円で買収すると発表した。背景には長年抱え続けてきた弱点を克服する狙いがあるようだが、しんぱち食堂の実力からは超高値ディールだ。すかいらーくHDはしんぱち食堂のどこに減損リスクを上回る魅力を見いだしたのか。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、高額買収の背景とすかいらーくHDの狙いを探った。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
すかいらーくが約1年半ぶりのM&A
EBITDA倍率30倍の高額買収
2026年3月24日、「ガスト」などを運営するファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は、炭火焼干物定食「しんぱち食堂」などを運営する、しんぱちを買収すると発表した。4月30日までに、投資ファンドのJ-STARなどから全株式を取得する予定で、取得額は約110億円となる見込みだ。
すかいらーくHDは24年10月にも、九州の「資さんうどん」を展開する資さんを約240億円で買収したばかりだ。当時の買収価格はEBITDA(営業利益+減価償却費)の約17倍。一般的に10倍以下が適正とされる中で「高値つかみ」との声も上がっていた(『すかいらーくHD社長が「資さんうどん“高値づかみ”説」を真っ向否定!うどん市場攻略に見せる自信「味は変えずに勝負する」』参照)。
しんぱち食堂買収はそれをはるかに上回る。しんぱち食堂のEBITDAは約3.7億円で、倍率は驚愕の約30倍だ。すかいらーくHDは非上場化した頃からため込んだ約1600億円もののれん代を抱えており、今回の買収でさらに上乗せされる。
すかいらーくHDはしんぱち食堂のどこに、大枚をはたいてでも買うべき理由を見いだしたのか。次ページでその理由を探るとともに、そのリスクについても解説する。







