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2026年春闘で、回転寿司大手のスシローと回転寿司ユニオンが、4年ぶりのストなし妥結を果たした。一方、はま寿司は会社側との交渉が進んでおらず、回転寿司トップ2社で対応が分かれた。スシローは、妥結による人件費増をのみ込む決断をしたことになる。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、スシローの回答内容を公開するとともに、コスト増が経営に与える影響の有無を探った。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
回転寿司ユニオンとスシロー
4年ぶりのストなし妥結
FOOD&LIFE COMPANIESが運営するあきんどスシローと、パート従業員やアルバイトが加盟する労働組合「回転寿司ユニオン」(首都圏青年ユニオン回転寿司分会)が、2026年の春季労使交渉を行い、組合側の要求をスシロー側がのんだことで、4年ぶりにストを行わずに妥結した。
回転寿司ユニオンは22年に結成された。スシローやはま寿司などの回転寿司で、パート従業員やアルバイトとして働く非正規労働者のための労働組合だ。現在、組合員は約60人を数える。
ユニオン側は、スシロー側との春季労使交渉で、組合員であるパート従業員とアルバイトの基本時給について、12地域で引き上げを要求。東京都心部では、1300円から1700円へのアップを求めた。それに対してスシロー側は、一部店舗で20円から50円の時給アップを行うと回答し、妥結に至った。
春季労使交渉では、23年から3年連続で妥結に至らず、25年には仙台中山店(仙台市)をはじめとする5店舗で合計5日間のストライキを決行。今年も3月1日に、宮崎恒久店(宮崎市)で順法闘争を行っていた。
スシロー側は、ユニオン側が徐々に影響力を拡大させていることに神経を尖らせているようだ。25年にはユニオン側が実施したストライキに対し、スシロー側が周辺店舗から非組合員の従業員を急きょ集めて店舗を通常運営し、ストライキの効果と影響を減退させる対抗策を実施。ユニオン側が実質的なスト破りだと反発する事態にも発展していた。
春季労使交渉4年目にして初めてストライキなしでの合意に至ったことについて、ユニオンの吉田帆駆斗書記長は、「組織が大きくなり始め、毎年春闘を行っている以上、ゼロ回答を出せば組合は引かず、ストライキを打ち続けると会社側も分かっている。春闘の時期に組合との交渉を通じて賃上げを行う方が、結果的に事態の収まりが良いと気付いたのだろう」と手応えを口にする。
そんなスシローと対照的だったのが、はま寿司を運営するゼンショーホールディングスだ。
はま寿司と交渉に臨んだ吉田氏は「『当社に特定の時期に給与を上げる考え方はない』と事実上交渉を拒否された」と話す。はま寿司は「労働組合法にのっとり誠実に対応しており『交渉拒否』の事実はない」とのスタンスで、両者は平行線だ。
次ページでは、ダイヤモンド編集部が入手した内部資料を基にスシローと回転寿司ユニオンの要求と回答を公開する。実は、時給アップは地域によっても大きく異なる結果となった。その理由を解説するとともに、スシローの今後の経営への影響を探った。







