Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
防衛、省力化、フィジカルAI……など投資テーマが豊富な機械セクター。専門家は機械セクターの企業は幅広く、分野別に強弱があると指摘する。また、今年はコーポレートガバナンス・コードが改訂され、機械セクターはキャッシュリッチ企業が多いだけに、株主還元策もテーマになる。特集『日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術』の#7では、機械セクターの論点を解説しつつ、業績と株価の躍進が期待できる企業について、さらには相対的に厳しい企業についても具体名を挙げて詳述する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
「景気サイクル」回復の途上
ガバナンスの改善にも期待
米中対立によるサプライチェーンの再構築や、生産性向上のための省力化投資の活発化で注目を集める機械セクター。2月末まで業績拡大期待から株価が強い企業が多かったが、不透明要素も台頭しつつある中、今後はどうなるのか。
野村證券の前川健太郎アナリストは「複数のシナリオが必要となる難しい局面だが、大きなサイクル回復の中にいるという見方を現時点では変えていない。機械セクターの場合、個別企業の投資状況の影響で上下しやすいが、引き続き米国、中国の回復がけん引役になる。2026年度は受注が過去ピークに近づいていく本格化フェーズに入っていくのではないか」と分析する。
機械セクターの場合、「工作機械」「ロボット」「建設機械」「防衛」など分野が幅広いことも特徴だ。
SMBC日興証券の谷中聡アナリストは「外部環境が不透明な上に、需要動向も過去のアップダウンのサイクルとは異なる。地域別の強弱も複雑化しているが、構造的に伸びるのは防衛関連や原子力・エネルギー関連だろう」と指摘する。
一方、前川氏はサイクルの回復という視点から「ファクトリーオートメーション(FA)が相対的には強い」とみている。中東情勢でエネルギー価格が高止まりするリスクを考えると、航空機関連は注意が必要だという。
また、今年は5年ぶりにコーポレートガバナンス・コードが改訂される。機械セクターにはキャッシュリッチ企業が多く、注目材料になりやすい。
「『あしき風習』ではないが、リーマンショックやコロナショックの経験からキャッシュを潤沢に持ってきた業界だ。だが、足元はそれが許されなくなってきている。シクリカル(景気敏感)性が高い会社でも資本政策にテコ入れをせざるを得なくなってきた」(谷中氏)
機械セクターの銘柄は、3月以降の調整幅が大きい銘柄も少なくない。逆に言うと、状況が落ち着いたときのアップサイドも大きい可能性がある。26年度相場で機械セクターは「日本の技術力」を発揮できるのか。
次ページでは「工作機械」「ロボット」「建設機械」「防衛」などの分野ごとに強弱の論点を解説。中長期で期待できる分野の本命企業や、「資本政策のテコ入れ」で一気に脚光を浴びる可能性がある企業、さらには相対的に厳しい企業についても具体名を挙げて紹介していく。







