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女子エスカレーター校を運営する首都圏22学校法人のうち、赤字は16学校法人にも上る。赤字を出しているところは軒並み、女子大が定員割れしている。しかし、聖心女子大学を擁する聖心女子学院、大妻女子大学を擁する大妻学院、そして鎌倉女子大学の3学校法人は、大学の定員が埋まっているにもかかわらず、赤字。なぜ赤字なのか。連載『教育・受験 最前線』では、連載内特集『エスカレーター校 クライシス2』をお届けする。#2では、首都圏で女子エスカレーター校を運営する赤字の学校法人について、ダイヤモンド編集部独自の「裏成績表」を一挙公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
大学の募集を停止したから
未来が開けた恵泉女学園
少子化加速による学校淘汰の時代に入り、女子大学は大苦境に立つ。若い世代で共学化志向が強まり、多くの女子大が定員割れ状態。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などで一貫教育を施す女子エスカレーター校も女子大を維持するのが難しくなり、女子大の共学化、さらには入学者募集停止が相次ぐ。
定員割れが続いて赤字を垂れ流す女子大はエスカレーター校を運営する学校法人全体の経営の足を引っ張り、中高などを巻き添えに学校法人そのものが崩れかねない。故に共学化が後を絶たず、大学運営に終止符を打つところも相次ぐ。
下表は、2024年度から大学の入学者募集を停止した恵泉女学園の経常収支データ(24年度)だ。
上表にある「経常収支差額」は企業でいう経常利益に相当し、この数値がマイナスだと、赤字で利益が出せていないことを意味する。「経常収支差額比率」(経常収支差額÷経常収入)は企業の売上高経常利益率に当たる。恵泉女学園大学はもともと定員割れが続いていた上に、募集停止になったので大赤字。一方で中学、高校は黒字なので、大学を閉じた先に学校法人全体が黒字へ転換する未来を期待できる。
女子エスカレーター校を運営する首都圏22学校法人のうち、赤字は16学校法人にも上る(24年度実績)。赤字を出しているところは軒並み、女子大が定員割れしている。
そんな中で、聖心女子大学を擁する聖心女子学院、大妻女子大学を擁する大妻学院、そして鎌倉女子大学の3学校法人は、大学の定員が埋まっているにもかかわらず、赤字となった。
厳しい経営が続けば、質の良い教育を行うための人件費や設備投資などもままならなくなる。では、学生・生徒とその家族、卒業生、学校・教育関係者らは、どうすればつぶさに経営状況を把握できるのか。世に出回る入試周りの表の情報だけではつかみ切れない。そこでダイヤモンド編集部では、財務を中心とした経営周りのデータを基に、学校法人個々の実力を独自の指標で評価する「裏成績表」を作成した。
次ページでは、前回取り上げた白百合学園(本連載#1『女子エスカレーター校・白百合系列で「共学化」ラッシュ!データがあぶり出す“名門の危機”』参照)を除く赤字15学校法人の裏成績表を公開する。いったいどこが赤字なのか。聖心女子学院、大妻学院、鎌倉女子大学はなぜ赤字なのか。








