「自分の言葉」を磨き上げ
書類選考の壁を突破する

 心機一転、活動を再開したものの、やはり最初は空振りの連続でした。

 書類が通らない、面接に進めても手応えがない。Aさんはここで立ち止まり、私と何度も面談を重ねることにしました。

 書類が通らない理由はもちろんのこと、面接でどのような質問に困ったのか、面接官の反応が良くなかったのはどのような答えだったのかを、面談を通して何度も検討し続けることで、先に進めない根本的な原因を見つめ直しました。

 そこでAさんはようやく、これまでは職務経歴書に自分のスキルや実績を形式的に並べるだけで、その裏側にある「自分らしさ」や「強み」を言語化できていなかったことに気づいたのです。

 そこからは私との対話を鏡のように使い、自己分析を徹底しました。

「私は職場で何を大切にしてきたのか?」

「困難に直面したとき、どう乗り越えたのか?」

 一つ一つの経験を丁寧にひもとき、言葉に落とし込んでいく作業。それは時に苦しい自己対峙(たいじ)でしたが、言葉が形になるにつれ、ぼやけていた自分のキャリアがくっきりと輪郭を帯びていきました。

 その結果、職務経歴書は「ただの経歴」から「自分を伝える武器」へと進化しました。書類の通過率が劇的に上がり、面接でも自分の強みを明確に伝えられる機会が増えていく中で、Aさんの内側には「これならいけるかもしれない」という小さな、しかし確かな自信が芽生え始めたのです。

90社を超える不採用を経て
それでも挑み続けた理由

 転職活動で妥協したくないという気持ちが強かったこともあり、大手企業を中心に応募数は90社を超えていましたが、それでも内定は出ません。

「やっぱり、私のスキルでは高望みなんだろうか」

「このまま一生、転職できないのではないか」

 そんな夜もあったはずです。