これに対し、兵庫県や石川県、石川県議会はもう一歩踏み込み、条例改正を行ったのが、以前の各地の対応と大きく異なる特色となっている。

 ちなみに、兵庫県の場合、フィルタリング機能の解除を保護者が申請する場合、県が認める「正当な理由」のどれに該当するか書面にして提出することを義務づけたのがポイントだ。

 具体的に、「正当な理由」として認められるのは、(1)携帯電話のネット接続を利用する青少年が就労者で、フィルタリング・サービスを利用することで業務に著しい支障を生じる場合、(2)携帯電話のネット接続を利用する青少年が障害を負っているか、疾病にかかっており、フィルタリング・サービスを利用することが日常生活に著しい支障をきたす場合、(3)保護者が、インターネット上の有害情報を青少年が閲覧しないようにチェックできる状態にある場合、――の3点に限定したのが同条例の特色だ。同県は、保護者に対し、青少年のフィルタリング機能の利用免除を申請する際の書式を定めており、この書式に明記された3点のいずれに該当するとマークすることを求めている。

 一方、石川県が目指している条例改正も、ほぼ兵庫県と同様の内容だ。異なるのは、免除の理由として、兵庫県が認めている3点のほかに、「その他、知事が適当と認めた理由」と加える点が独自のポイントと言う。

 それに対して、県議会・自民党が目指している条例改正案は、かなりユニークなものとなっている。というのは、地元の北国新聞などの報道によると、罰則規定などは設けない努力目標にとどめるものの、保護者を対象に、明確に「青少年に携帯電話端末(PHS端末を含む)を所持させないよう努めるものとする」と書き込もうとしているからである。この改正案に対して、「対象の青少年から高校生を外して、中学生以下に限定する」という条件付きながら、新進石川、公明などの会派も賛意を示しており、2本の改正案が同時に県議会に提出される可能性があるという。

所持させないよりも
ネットの使い方教育が肝要

 ここで注目されるのは、携帯の所持規制は、かつて「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」の制定論議の際に、強硬派の自民党議員らが主張し、受け入れられなかったものと酷似した内容となっていることだ。北国新聞によると、推進派のある県議は、「全国に先駆け、議会がもう一歩進む形も大事」などと強い意欲を示しているという。

 だが、こうした保有規制は、技術革新で誕生した新たな道具である携帯電話やインターネットと向き合う姿勢として妥当なものとは思えない。世界的に携帯電話やインターネットの普及が進む中で、こうした技術革新の産物から隔離される青少年が将来の人生において、世界共通の道具を使いこなせない不利に直面する懸念が大きいからだ。

 地元関係者の中には「今回の条例改正は議員の売名行為の色彩が強い」と見る向きがあるほか、総務省にも「関連する法令の立法経緯を斟酌すれば、あまりに法とかけ離れた条例を現段階で指定するのはいかがなものか」と慎重な意見があるのも事実だ。

 確かに、保護者の世代の中には、携帯電話やインターネットが苦手と言う人も依然として多いかもしれない。が、ここは学校や携帯電話会社の関係者も一体となって、保護者に協力し、青少年に正しい携帯電話やインターネットの使い方を教育していくことが肝要なのではないだろうか。