
外国人が日本の土地を買えないようにすべきだ――。不動産価格の高騰を受けて、外国人が日本の不動産を購入することに不満を持つ人が増えているようです。購入を規制すべきだとする主張も話題になっています。しかし、残念なことに、外国人の不動産購入を規制しても不動産価格は下がりません。この問題の本質は、「不動産価格の高騰」ではなく、別のところにあるのです。外国人が日本で不動産を取得して問題になるケースについて解説します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
外国人が土地を購入するのは自由…そもそも規制できるのか?
国民民主党の榛葉賀津也幹事長が参院外交防衛委員会で、外国人が日本の土地を買っていることで「国民が不安を覚えている」と述べたことがSNS上で話題になりました。
具体的には、
「北海道のニセコや富良野、軽井沢、沖縄の島を中国人やシンガポール人、ほとんど華僑だが、買い漁っている」
と指摘したうえで、問題点として、
「飛行場やダムの周辺、水源地、温泉源になる鉱泉地をどんどん買っている。対馬の自衛隊基地周辺など重要土地のすぐ脇を買っている傾向もある」
という安全保障上の問題と、
「民事上も様々な問題がある」
その例として、
「老朽化したマンションの大規模修繕の際に、この方々が協議に応じないとできない」
といった問題を挙げました。
ネット上では「中国人が日本の土地を買えないようにすべきだ」といった過激な論調が見られたのですが、この問題、いったいどういう問題なのでしょうか?外国人に土地を買われることの何がよくないのか?整理してみたいと思います。