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ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)は2026年3月期に過去最高益をたたき出したが、水面下ではジェット燃料価格の急騰が収益構造を揺さぶり始めている。ところが、ANAが27年3月期に600億円規模の利益減を見込む一方で、JALは従来予想を据え置いた。逆風下でJALが“強気”の姿勢を崩さないのはなぜなのか。特集『エネルギー危機、インフレ、人手不足で明暗!通期決算「勝ち組&負け組」【2026春】』の本稿では、航空大手2社の利益予想を大きく分けた二大要因を解説する。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
ANAは600億円の減益予想
当初予想を据え置いたJAL
ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)の2026年3月期決算は、共に過去最高益を更新する好決算となった。ANAの営業利益は前期比10.6%増の2174億円、JALのEBIT(財務・法人所得税前利益)は前期比26.4%増の2180億円。いずれもインバウンド需要の取り込みを背景に、国際線事業が業績をけん引。その結果、両社とも26年3月期を最終年度とする中期経営計画の目標利益(ANAは営業利益2000億円、JALはEBITで2000億円)を超過達成した。
最高益という好調な業績の陰で、両社の首脳が強い危機感を抱いているのが、中東情勢の緊迫をきっかけとした燃料価格の急騰だ。前期の業績への影響は仕入れ時期の兼ね合いもあり限定的だったものの、足元ではジェット燃料価格は高止まりしている。
前期末の3月時点では、中東系のエアラインの運休による需要の受け皿となったことがANAの増収につながるなど一時的な“特需”さえ発生していたが、そうした燃料価格高騰の影響が表面化しなかった構図は長く続かない。燃料高騰の本格的な影響が、いよいよ27年3月期から顕在化するからだ。両社はすでに「数百億円規模」の収益の押し下げ要因として認識しており、過去最高業績に沸いた航空業界は再び大きな転換点を迎えようとしている。
ところが、今期の業績予想に目を移すと、両社のスタンスは対照的だ。ANAは燃料費高騰の影響で600億円程度の減益を見込む一方、JALは中東情勢の緊迫化前に公表した従来予想を据え置いたからだ。なぜ、同じ燃料費の高騰に直面しながら、ここまで見通しが分かれるのだろうか。
実は、利益予想が大きく分かれた背景には、両社の収益構造のからくりに加え、JALが持っていてANAが持っていない、ある“稼ぎ頭”の存在がある。次ページで、二大要因を明らかにしていく。







