日本経済は「戦後最長の景気拡大」更新!?好景気の実感ないまま懸念は物価上昇圧力の高まりPhoto:PIXTA

小泉政権時の拡大「73カ月」を超える!?
政策金利据え置き、最大のリスクは物価上昇加速

 中東情勢は、米国とイランの停戦和平協議が行き詰まり、双方が攻撃を再開するなかで原油価格が再び上昇、高止まりし、世界経済は再び不透明感が強まっている。

 だが日本の足元の景気は、原油高や供給不安、円安などのリスクを抱えながらも、個人消費の緩やかな回復や堅調な企業の設備投資など内需の底堅さを背景にさ、これまでのところは日銀短観の業況判断DIや鉱工業生産などの指標を見る限り、春先の想定ほど悪化しておらず、緩やかな持ち直しを続けている。

 正式な判定にはなお時間がかかるが、現在の景気拡張期間は2026年5月時点で、アベノミクス期の景気拡張71カ月(2012年12月~2018年10月)をすでに上回る。そして、7月まで維持されれば、主に小泉政権期だった73カ月(2002年2月~2008年2月)を抜いて、戦後最長の景気拡張期間を更新することになる。

 最大の不安要素は物価上昇圧力の強まりだ。円安が一時は1ドル163円台まで進むなど、円安基調が続いていることや高値での原油調達を通じて輸入物価・企業物価が急上昇している。政府の補助金で抑え込まれている消費者物価も、政策効果を除いたベースでは高い伸びを示す。

 日本銀行は、7月30、31日の金融政策決定会合では政策金利を据え置いたが、利上げを継続するとみられる。次の利上げは12月と予想されるが、対応が遅れれば長期金利の急騰リスクが高まる。

 形の上では戦後最長の景気拡張期間更新が視野に入るものの、物価高に賃金増の実感が追いつかず、「実感なき景気回復」が続く可能性が大きい。