AI特需で台湾経済が40年ぶり「11%成長」へ!イラン危機とインフレが生む意外な死角とはPhoto:PIXTA

世界的なAI・半導体ブームを追い風に、台湾経済が異例の高成長を続けている。台湾当局は2026年の実質GDP成長率見通しを11.05%と、約40年ぶりの高水準に引き上げた。一方、イラン情勢を背景とするエネルギー高や通貨安がインフレ圧力を強め、AI関連産業とそれ以外の格差も拡大している。台湾経済と金融市場の先行きを検証する。(第一ライフ資産運用経済研究所主席エコノミスト 西濵 徹)

イラン情勢悪化で露呈した
台湾「エネルギー依存」の弱点

 イラン情勢の悪化を受けた原油やLNG(液化天然ガス)などエネルギー資源価格の上昇によって、一次エネルギーに占める原油比率が35%、天然ガス比率が20%に上る台湾経済に悪影響が及ぶことが懸念された。

 台湾は原油のほぼすべてを輸入に依存している。しかし、米中摩擦が激化する背後で原油輸入の約6割を米国からの輸入が占めている。さらに、原油備蓄量も約146日分とアジア新興国・地域のなかでは比較的高く、原油の供給懸念に対する耐性が比較的高いと考えられる。

 一方で、台湾当局は近年、脱石炭の取り組みに加え、脱原発を進めるべくLNGの輸入を拡大させてきた。LNG輸入の4割をオーストラリア産が占める一方、カタール産も3割程度を占めており、イラン情勢の悪化によるホルムズ海峡の航行懸念の影響は避けられない状況にある。

 次ページでは、エネルギー価格高騰の台湾経済への影響を検証するとともに、経済成長、金融市場の先行きについて予測する。