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国内外の金利上昇が止まらない。金利上昇は企業の利益を圧迫する。巨額の設備を抱え、有利子負債も大きい鉄鋼業界への影響は小さくない。そこで特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債の借換金利が1%上昇した場合、足元の利益をどれだけ押し下げるかを独自試算した「金利上昇衝撃度」で鉄鋼各社を順位付けした。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
金利1%上昇の足元の利益圧迫度
鉄鋼業界の金利上昇衝撃度を独自試算
鉄鋼業界を取り巻く事業環境は厳しい。中国の過剰生産を背景とした鋼材市況の低迷に加え、原材料やエネルギー価格の上昇が収益を圧迫し、2025年度は業績が悪化した企業が目立った。26年度も鋼材市況の大幅な改善は見込みにくい。各社は販売価格の引き上げを進めているものの、原材料やエネルギーなどのコスト上昇が採算改善の重荷になっている。
鉄鋼業は巨額の設備投資を必要とする典型的な装置産業であり、借入金や社債などの有利子負債を多く抱える企業も少なくない。そのため、金利上昇による利払い費用増加の影響を受けやすい。
24年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀の政策金利は26年6月に1%まで引き上げられ、8月17日には長期金利の指標となる新発10年国債利回りが一時2.930%と、1996年9月以来の水準まで上昇した。
インフレへの警戒はなお根強く、市場では9月の日銀金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測も強まっている。
海外に拠点を持つ企業は、現地の金融機関からの借り入れや外貨建てで資金を調達するケースも多い。イラン戦争に伴う原油価格上昇などを背景に、海外主要国でも金利には上昇圧力がかかっている。
米国では、財政悪化への懸念などから超長期金利が上昇し、米30年国債利回りは8月17日に一時5.3%台を付けた。足元ではインフレ懸念がやや和らいでいるものの、FRB(米連邦準備制度理事会)においては年初に予想されていた利下げ局面から一転し、政策金利の据え置き、あるいは追加利上げの可能性も意識される状況となっている。
ECB(欧州中央銀行)もエネルギー価格高騰を背景としたインフレ圧力に対応するため、6月に政策金利を引き上げた。7月は政策金利を据え置いているが、市場では追加利上げへの警戒も残っている。
こうした金利上昇は企業の利払い負担を増やし、利益を圧迫する。ただし、その影響の大きさは企業によって一様ではない。重要なポイントになるのが、借入金や社債の返済・償還時期である。
既存の借入金や社債の多くには、契約時に決められた金利が適用されている。このため、市場金利が上昇したからといって、全ての有利子負債の金利負担が直ちに増えるわけではない。返済や償還期限を迎え、新たな金利水準で借り換える段階になって初めて、金利上昇の影響が本格的に表れる。
従って、有利子負債が多額であっても、返済・償還時期が5年先などに集中していれば、当面の利払い負担への影響は限定される。一方、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借り換えによる金利上昇の打撃は大きくなり得る。
そこで今回、決算期末時点で2年以内に返済・償還を予定する有利子負債を対象に、借換時の金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを求め、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、鉄鋼業界の企業を対象としたランキングを掲載し、金利上昇が各社の利益にどの程度の影響を与える可能性があるのかを詳しく見ていく。







