税理士リバイバル#12Photo by Yuki Okusa

税理士業界では業容の拡大を背景に、大手税理士法人が小規模法人を買収する再編が進んでいるが、ここにきてついに中堅法人が買収されるケースが出始めた。ダイヤモンド編集部の独自取材により、全国展開する独立系大手「トータルグループ」が、都内有数の老舗総合士業グループを極秘裏に買収したことが判明した。統合後の社員数は600人を超え、勢力図は大きく塗り替わる。特集『税理士リバイバル!』の#12では、トータルが買収した法人名のほか、その狙いを詳報する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実、大日結貴)

ついに中堅法人も対象に
大型買収が判明!

 税理士業界で、これまでにない規模の「合従連衡」が加速している。

 税理士業界は今、ビジネスモデルの大きな転換期を迎えている。顧問先企業の資金の流れを帳簿に記録する記帳代行をはじめとする従来の税務支援業務にとどまらず、経営コンサルティングや事業承継、M&A(企業の合併・買収)仲介へと業容を拡大する法人が増加。高付加価値サービスを展開できる体力のある法人は、地方や都市部の中小税理士事務所を傘下に収めることで、一気に顧客基盤と売り上げを拡大する戦略に出ている。買収先は、主に30〜50人規模の法人だ。

 一方で、中小の税理士事務所も切実な事情を抱える。都市部では若手人材がコンサルティング業界などに流出しているほか、地方では地元経済が縮小する懸念から人材採用自体が困難になっている。生産性を高めるための武器になり得るAIなどの最新テクノロジーの導入も、専門スタッフの採用が難しく思うように進まない。

 近年では、先代から事務所を継いだ2代目が、生き残りを懸けて大手の傘下入りを決断するケースも目立ち始めた。双方の利害が一致し、業界内での再編劇に拍車がかかっているのだ。

 こうした合従連衡の動きは、古くは業界最大手の辻・本郷 税理士法人などが先陣を切って進めてきた。地方の後継者不足に悩む中小事務所をM&Aによって傘下に収め、全国的な拠点網を築き上げたパイオニアだ。

 近年では、『税理士法人は大再編時代「第2幕」へ、“次の辻・本郷”はどこか?再編を仕掛ける3法人の「実名&買収マップ」を公開』で報じた通り、新たなプレーヤーが台頭し、再編競争が過熱。業界関係者の間では「次に動くのはどの勢力か」と、次なる大型再編に関心が集まっていた。

 そうした中、また一つ業界を揺るがす強力な「合従連衡」が成立したことがダイヤモンド編集部の独自取材で判明した。大胆な動きを見せたのは、税理士法人TOTALなどを抱え、全国に19拠点を構える「TOTALグループ」だ。

 関係者への取材によると、今回トータルが傘下に収めたのは、東京で事業を展開する社員数約170人規模の中堅税理士法人グループだという。次のページでは、トータルが買収した法人の実名を初公開するほか、その狙いを詳報する。