税理士リバイバル#13Photo by Yoshihisa Wada

税理士法人TOTALは9月1日、社員数約170人規模の中堅税理士法人総合経営サービスグループの買収を発表した。ここ数年続いてきた小規模な税理士事務所のM&Aとは規模が違い、今回のM&Aは税理士業界で過去最大級だ。TOTALはなぜ買収に踏み切ったのか。特集『税理士リバイバル!』の#13では、想定外の副産物まで得られたと語るTOTALの高橋寿克代表に、狙いと今後の成長戦略について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 大日結貴)

中堅の総合経営サービスを買収
想定していなかった成果も獲得

――税理士業界内でM&Aが進んでいます。今の事業環境をどのように捉えていますか?

 情報化社会の進展に伴い、小規模事務所では継続的な情報収集やIT投資、税理士などの専門人材の採用活動が難しくなってきました。それによって業界全体で税理士事務所の集約が進み、今は規模の経済が働き始めています。

 税理士資格を取得した後に独立し、少人数で事務所を維持していく従来のビジネスモデルは成り立ちにくくなっています。

――9月1日に従業員170人規模の税理士法人を買収しました(『【独自】首都圏で税理士法人の大型再編が判明!独立系大手トータルが170人規模の中堅法人を買収、業界トップ10入りへ』参照)。狙いを教えてください。

 一番の狙いは経験者人材の確保と、手薄だった分野の補強です。

 今は業界全体で経験のある税理士やスタッフの採用競争が激しく、即戦力となる人材を外部から確保するのは容易ではありません。今回のM&Aにより、実績が豊富な経験者層を一度にグループへ迎えることができました。

 また、総合経営サービスグループが顧客基盤の強固な社会保険労務士法人を擁していたことや、医療・クリニックの開業支援ノウハウを持っていた点も、当社の成長戦略に合致しました。さらに付け加えると、想定していなかった成果もありました。

――想定していなかった成果とは?

9月1日に、税理士業界で過去最大規模の買収を実施した税理士法人TOTAL。M&Aによって社員数で業界トップ10入りを果たすことになった。高橋寿克代表は、得られた果実は実績と経験を積んだ専門人材を迎え入れたことだけではなかったと語る。それは何だったのか。次ページでさらに詳しく話を聞いた。