
中学受験では近年、偏差値や有名大学合格実績では測れない「非認知能力」が注目され、入試問題が大きく変化している。このトレンドを踏まえ、学校選びや家庭での教育はどうあるべきか。特集『わが子がもっと伸びる!中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#20では、岩佐峰之・龍谷大学付属平安高等学校・中学校校長と、中学受験塾における東の横綱、SAPIX(サピックス)の広野雅明教育事業本部本部長、そして西の横綱、浜学園の松本茂学園長が鼎談。近年の中学受験のキーワードである「非認知能力」の育成法や、人気を集める私立中高一貫校の特徴とその見分け方、そして入試本番まで残り4カ月余りに迫った2027年入試の受験生を持つ親の心構えと声かけ術までを語った。その鼎談の「後編」をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
探究学習を業者丸投げの学校も
伸びている学校の特徴と見極め方
――新学期が始まり、6年生は現実を見据えた受験校選びが本格化しますが、そのコツについて教えてください。また近年、志願者が増えている人気校には、どのような特徴があるのでしょうか。
広野雅明・SAPIX(サピックス)教育事業本部本部長 注意してほしいのは、学校が「グローバル教育を重視しています」「探究的な学びをやっています」と言っていても、これらを全てオリジナルで実施している学校は実は少ないということ。探究学習などを業者に丸投げしている学校もあります。
それらに自前でしっかり取り組んでいる学校は、高大連携にせよ、探究学習にせよ、地域とのつながりにせよ、先生方が自分たちの足でコネをつくりながら作り上げているところで、そうした学校の姿勢が保護者の胸を打つ。
これまでは有名大学の合格実績という数字だけで学校選びがなされてきたところに、総合型選抜での大学入学が増えてくると数字で勝負できなくなり、結果的に「質」での勝負に移行しています。学校が大学や企業、地域と連携し、「子どもがこの学校に入ってこんなふうに楽しんでいます」みたいなストーリーが保護者はすごく好き。そして、実際にそういう学校であればあるほど、子どもたちは学校のことが大好きなんですよね。学校説明会でも生徒が出てきたり、保護者会が盛り上がっていたりするような学校が口コミで人気を集めています。
松本茂・浜学園学園長 広野先生がおっしゃるように、関西でも学校案内自体が変わってきました。昔は合格実績を前面に出したり、アクセスの便利さを売りにしたりだったんですが、最近は在校生が今、どんな活動をしているかということにページを割いている学校が多くなりましたね。入学後の目的をしっかりと持たせられるシステムを用意し、大学と連携しているから、こういうことが勉強できるぞ、とか。
岩佐峰之・龍谷大学付属平安高等学校・中学校校長 私は当事者として、学校の価値とは何かを考えなければならないと常に思っています。大学に入っただけではなく、そこで何がしたいのか、何をしているのかということが重要です。(2026年3月まで校長を務めていた)京都市立西京高等学校・附属中学校でも、同校に入学すれば何ができるのかを生徒に見せるようにしていました。「1年後、2年後にこんな感じになるのかな」と、子どもたちが予測できるように。
学校というのは「おもちゃ箱」みたいな場所でなければいけません。興味関心が湧くようなコンテストや部活動、ボランティアなどをちりばめておく。本校でいえば最近、「全国高等学校麻雀選手権大会」に出たいという生徒がいて。先生たちも盛り上がるわけですよ(笑)。子どもがやりたいことを見守るのが、学校がやれることだと思います。
――業者に丸投げではなく、本当に子どもが楽しめる学校かどうかを、保護者目線で見極められる方法はありますか。
次ページでは、業者丸投げではなく改革に真摯な中高一貫校の見分け方や、2027年入試が残り4カ月余りに迫る中、受験生の親の心構えと、模擬試験の判定結果の生かし方などを指南する。







