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宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイル広告大賞に見る日本のクリエーティビティ

宝珠山卓志 [株式会社D2C 代表取締役社長]
【第5回】 2013年9月6日
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 そして、今年のベストアド受賞作品。これは、サントリービジネスエキスパートの「2013年 プレモル史上最大のキャンペーン始まる。」。これは、スマートフォン版のYahoo!Japanトップページに掲載された「ザ・プレミアム・モルツ」のディスプレイ型広告。「プレモルが冷えている冷蔵庫」というイメージに絞って訴求。広告をタップすると画面全体が冷蔵庫に早変わりし、そのドアが開くと、中に冷えた「ザ・プレミアム・モルツ」が詰まっている。その中から1本を取り出すと、冷蔵庫のドアが閉まり、そこから、プレゼントへの応募情報などが掲載されているキャンペーンページに飛ぶというもの。

サントリー「プレミアムモルツ」のスマートフォン広告

 技術的には、いかに軽量で面白いものができるかという点を考慮し、Flashを使用せず、Gifアニメーションで立体的な表現を実現した。

本田技研工業「インサイト」のスマートフォン広告

 ちなみに、こうした全面ジャックといった広告の先駆は、2010年、第9回モバイル広告大賞のクリエーティブ部門優秀賞を獲得した本田技研工業の「インサイト」の「動くiPhone新聞」だろう。

 当時はiPhoneのアプリを利用した有料の電子雑誌や電子新聞の配信が始まりだした時期だった。そんな中で登場したインサイトの動画広告は、新聞の第4面をロードすると、その下段にインサイトの広告。しかも、再生ボタンが画面の真ん中に現れる。そのボタンを押すと、下の広告枠に現れていたインサイトが動きだし、新聞全面を動き回るというものだった。広告の再生後はサイトに誘導される。キャンセルすると、正規の紙面が現れるという仕掛けだ。

 広告大賞の選考対象には含んでいないが、検索連動型広告は相変わらずのテキスト表示だ。しかし、PCと比較して小さいスクリーンの中にあって、モバイル上の広告スペースとしての比重は大きい。

 モノクロ広告、カラー広告、アニメgif広告、フラッシュバナー広告、全面フラッシュ広告とよりリッチな表現を求めて変化してきたバナー広告だろうが、テキスト広告だろうが、いかに消費者の心をつかむか?という1点では従来の広告と変わらない。ちょっとしたテキスト文言の修正や、バナー広告の色使いでユーザーの反応が変わっていることを鑑みるに、まだまだ奥が深い領域だと思われる。

 次回は、マーケティング部門の進化と変遷を見ていきたいと思う。

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宝珠山卓志
[株式会社D2C 代表取締役社長]

1972年2月9日生まれ・東京育ち・妻と子供一人・趣味はシャンパーニュ。
1995年早稲田大学社会科学部卒業後、電通入社。マーケティング局配属後、第7営業局NTTドコモ担当。2000年D2Cへ出向。営業部長、営業推進部長を経て、2004年取締役COOに就任。2010年代表取締役に就任。現在に至る。

宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイルマーケティングの第一人者が、業界動向や日々の話題にふれつつ、日本あるいは日本企業が持っている力の再検証と、それらを踏まえたグローバル市場における日本企業のポテンシャルを前向きに検証していく。

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