ゲーム業界に限らず、コンテンツ系業界はこの仕事をやりたくて業界入りした人、つまり内発的動機ベースの労働者がとても多い。特に開発職などの場合は、高賃金ありきの外発的動機ベースの労働者は圧倒的に少なく、好きなことができなくなると精神的に参って退職に追い込まれる人も少なくない。
開発者が開発できなくなったら人生終わりとか、むやみやたらと独立、ではなく、違う働き方を模索するにはどうすればよいのだろうか。「未来の働き方を考えよう 人生は二回生きられる」(文藝春秋社刊)の著者、ちきりんさんと一緒に考えてみたい。

ポスト脳トレは「とびだせ! どうぶつの森」!?
高齢者の生活管理や健康維持に役立つかも

ちきりんさんと、ゲーム業界開発者の働き方を考えるちきりん
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いたあと、米国の大学院留学を経て外資系企業に勤務。2010年に退職後は文筆活動などを中心に、「楽しいことだけをして暮らす」、人生2回目の働き方を実践中。
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――ブログを拝見しますと、テレビゲームをよく遊ばれているみたいですね。特に今は「とびだせ!どうぶつの森」(ニンテンドー3DS用、以下どうぶつの森)がお好きで、3DSはいつも持ち歩いておられるとか。

ちきりんさん(以下ちきりん) 「すれちがい通信」(本体の電源を入れたままにしておくと、自動的にすれ違った他の人の3DSなどと交信するサービス)が楽しくて、いつも持ち歩いています。(バッグから3DSを取り出して)ほら、すれ違いました(笑)。

――あ、それ私(石島)です…。本当に持ち歩いておられるんですね。「どうぶつの森」のどのような点が、心の琴線に触れたんでしょうか?

ちきりん ひとつは3DSというハードのすばらしさが堪能できること。スマホで簡単にゲームができるこのご時世に、ゲーム専用機を(私を含めユーザーに)持ち歩かせることができるなんて驚愕です。

 あと、インタラクティブなコミュニケーションが多いこと。相手(どうぶつキャラクター)の反応が多彩なので、本当に会話しているような気になる。こういうゲームって、高齢者の生活支援やオレオレ詐欺対策にも役立つと思います。