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富田直美 真説・IT考

リモートデスクトップがXPCに進化するとどうなるか

富田直美
【第8回】 2013年11月1日
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XPCはPC形態の革命!――最高のワークスタイルの実現へ

 XPCに触れてみて、この変化は、従来のノートブックPCを構成するデバイスの小型化、軽量化等々といった進化の仕方よりも、全く新しい、安定、安心、堅牢性、電力の最適利用等々に、より配慮したPCの形態が創造される可能性を示唆しているように感じる。

 私は、自分のオフィスや、家の書斎(物置の片隅なのですが)に、ガラストップのL字型デスクを入れている。そのスペースが、ガラスとアルミ(放熱性)を材料にした宇宙ステーションのコクピットのようなワーキング&エンタテインメント・ステーション(WES)スペースにできるのではないかと夢想している。

 そこには一生もののキーボードや、モニターを何台でも増設できるハンガーがあり、素敵なオーディオシステム(高機能の椅子の頭の部分にスピーカーが組み込まれ、椅子も振動する?)も組み込まれ、何よりも、CPU、記録デバイス等は、モジュール化され、いつでもモジュールごと最新・最速のものにワンタッチで変更可能だ。

 しかも、ここで行われる全ての作業は、今よりも進化したセキュアなクラウド上に自動的にバックアップされており、外出時などでのハンドヘルドデバイス(HHD=この場合はiPad)からのアクセスは、このWESに対してではなく、クラウド上の仮想WESに対して行う。もちろん、HHDからクラウドへのアップロードも自由自在だ。腰を落ち着けた作業は常に、自分の好みに最適化されたWESでスムーズに快適に愉しく専念することが出来るのだ!!

私の真説

 XPCが最初のトリガーとなり、PCの形態や仕事のやり方が大きく変わる大転換点が目の前に来ている。夢を超えた夢の実現であり、クラウドの本当の価値もこの辺りにあるのだと確信している。

 一つ書き漏らしたが、今回のパラレルスのXPCソリューションの真価は、iPadユーザーが使うジェスチャー(ピンチ、スワイプ、スクロール等)がほぼそのまま、WindowsやMacのアプリの操作にも使えるという点だ。

 富田語録には“人に優しくなければ技術が稚拙”とある。すなわち、どんな複雑な技術でも、使う人との最終接触部分である、UIが直感的でわかり安くシームレスなエクスペリエンスを提供できなければ優しいとは言えない。

 突飛な例で説明すれば、料理をつくる時、どんな素晴らしい材料、素材、調理器具を駆使しても、美味しくなければ誰も食べてくれないのである。

 ITのUIとは、料理の美味しさと同じだと言える、だからこそ、自分が慣れ親しんだUI(この場合iPad)をWindowsのアプリを呼び出した時にでも使えることは、私の体感的には大進化だと言いたい。

 私のように、しばらくMacから離れていて、iPhone、iPad辺りからApple製品を再度使い始めた者は、あの直感的なジェスチャーも知っている、Windowsの操作体系や機能も使えるハイブリッドや、フュージョンなユーザーだ。そうしたユーザーが自然に、直感的に操作ができるUIの実現は、大変な挑戦なのだ。

 まあ、この辺りは、多趣味で、多くの異なったハードウェアのユーザー・エクスペリエンスを深く追い求めてきたと自負している、富田ならではの慧眼・真説だと位置づけていただければうれしい。

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新しいIT技術に基づく製品やサービスは、人間、社会にどんな影響(ポジティブ、ネガティブ)を与えるのか? 先端IT企業9社の経営経験を経て、現在は名門シンクタンクの理事を務め、大学で人間力を教える著者が、わかりにくいITとIT業界の動きを人間力によって立つ問題意識を元に考察する。

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