去る10月6日(日)、東京・丸の内で「就活コン」なるイベントが開催された。“もし企業の人事部と学生が街コンで出会ったら”-就活解禁日を目前に控えた学生たちにとっては一瞬ドキリとさせられるタイトルだが、そこに込められたねらいとは何か。主催の株式会社ソシアルワードシェアリング作馬氏に話を聞いた。

就活における学生と企業の意識のギャップを埋めるには

――今回、”就活”をテーマに“街コン”を開催されたそうですが、そのきっかけやねらいは何ですか?

作馬 もともと、構造的に硬直化してしまっている現在の就活スタイルに疑問を持っていました。それに加え、近年では活動期間がますます短くなっているいっぽうで、学生、企業両方に、それをフォローアップする仕組みが用意されていない。

 ルールに従うのは当然ですが、今のやり方では、学生が自分に合った企業を探すのは困難ですし、企業にとっても同様です。そこで、いわゆる採用活動とは一線を画し、まずはお互いをより良く知る機会の提供として、街コンというフレームを利用したらどうかと考えました。

――“現在の就活スタイルに対する疑問”とは、具体的にどのようなことですか?

作馬 学生にとって就活は、大学3年生のある一時期に訪れる「点」のようなものだと思われていますが、私は「線」だと思っています。学生たちは、20歳そこそこの決断で人生のすべてが決まってしまうような錯覚にとらわれがちですが、良い仕事人生を過ごそうと思えば、仕事選びは継続的な活動であるべきで、良い会社に入ったからといって、それは決してゴールではないはずです。

 いっぽうで、企業にとって新卒を採るということは、ある意味ゼロからその会社のDNAを叩き込むようなものです。目の前に居る学生の10年後、20年後を考えて採用するのは企業の責任といえますが、そのゴール設定の違いが、学生と企業の間に意識のギャップを生んでいると思います。今のような就活の体制ではこうした溝は埋まらないと思っています。

10月6日(日)、東京・丸の内のレストラン3店舗で就活と街コンを組み合わせた「就活コン」が開催され、大学生約100名と、企業の人事(一部行政など)約30名が参加、就活に対する思い思いの胸の内を語り合うイベントとなった。はじめこそ緊張ムードが漂ったものの、休日に私服で語り合う気軽さも手伝い、企業も学生も合説や面接では「言えない・聞けない(?)」本音トークで盛り上がった。当日の様子はこちらのfacebookから。