いささか手荒な株価調整は完了
アベノミクスの「終わり」は?
5月23日に株価・為替レートが乱高下し、「調整」と一言で言うにはいささか手荒な株安・円高局面があったが、約半年を経て、株価も為替レートも戻ってきた。こうした「気がついたら高値に戻る」といったリズム感は、大規模な金融緩和を背景とした相場としては普通のものであるように思う。
さて、現段階で筆者は、相場・景気・経済政策いずれの点でも「アベノミクス」の「終わり」が近いとはさらさら考えていない。これは予め強調しておきたい。
景気と物価には、目下だいたい想定通りに金融緩和の効果が表れているが、失業率がもっと下がって賃金上昇につながり、物価がはっきりとかつ継続的に上昇する条件が整うのは、早くとも来年の後半以降だろう。それまで、金融緩和を中心とした政策パッケージとしての「アベノミクス」は継続するだろうし、株価は現在「バブル」にはほど遠いし、円安にもまだまだ余裕がある。
とはいえ、相場にも景気にもいつかは「終わり」が来る。アベノミクスの終わりがどのような形で来るのか、考えておくことは無駄ではあるまい。
先のことなのでまったく自信はないし、全く見当違いのことを書くかもしれないとお断りした上で、考えてみたい。
相場の世界には次のような言葉がある。「予測は難しい。特に、将来の事に関しては」。
アベノミクスが終わる形について、筆者には起こりそうだと感じていない選択肢も含めて、現段階で5つほどの可能性が思い浮かぶ。