「キャリアの集大成」を理解できているか
50代役定者向け研修で伝えるべきこと

 筆者が役定者向けの研修やカウンセリングを通じてお会いする方には、大きく2タイプある。1つは、役定を、もうそのような時期が来たと捉え、少し早めにセカンドキャリアを生きようとマインドチェンジを行い、諸準備を始めている方。もう一方はまだまだ現役にこだわり次の自己活用のための準備をしない方だ。どちらが上手くいくのだろうか?会社としてどちらであってほしいだろうか?当然、前者である。前項で意味・価値観ということに触れたのでもう少しそれをどのように説明すればよいか検討しておこう。

 筆者が研修で説明し、グループ討議を通じ理解を深めていただいている、「職業人生のステージと働き方の変化」及び「価値観軸の変動」の図式を紹介する。

 まず年齢に応じた働き方の変化については、下図でお分かりの通り、50代は役定がどうあれ、それまでの働き方が変わり、セカンドキャリアの準備期であることを理解していただく。60歳の一次定年に向けて、最終貢献時期であり、キャリアの集大成をどう図るか、これを参加者に討議ししていただき、視野を足元から未来に向けて広げ、生き方・働き方の意味が職業人生のステージで変わることを理解していただいている。

 もう1つの【図表5】は仕事の価値観軸の変動だ。職業人生のステージによる働き方の変化の理解と合わせ、働く価値観自体の見直しもまた必要だ。仕事が全ての中心にあって、それが会社での評価につながっていると考えてきた考え方を、役割責任の変化とともに、ワークライフのバランスを取りながら、長く幸せに働き続ける考え方に切り替えていく必要がある。会社での成功に凝り固まった考え方を、人生の成功・幸せの考え方に導くことで、価値観の転換、視野の拡大がなされ、新たな役割や働き方の受け入れも進んでいく。

 このあたりは、企業の役職定年制度の説明ではおよそ行き届くものではないため、事前の対象者向け研修などでよく理解させることが大切だ。