今回は、アクセンチュアで行われているデータサイエンスの具体的な例として、アクセンチュア・レコメンドサービスについて説明します。
データサイエンスを一般化させたレコメンドエンジン
アクセンチュア・レコメンドサービス(以下、ARS)は、顧客情報、行動履歴から、お客様一人一人に対して最適な商品をおすすめ(レコメンド)するサービスです。レコメンドサービスは、ECサイトでのクロスセル、アップセル、メールマガジン中の商品広告、キャンペーン情報送信対象の選定、クーポンによる実店舗への誘導、ニュースサイトの関連記事への誘導といったシーンで近年多く使われるようになってきました。ビジネスに活用されるデータサイエンスの代表的な例としてピンとくる読者も多いでしょう。
レコメンドエンジンは一度システムを構築すれば終わりというものではなく、履歴情報に基づいて推奨モデルを随時刷新していくことが重要となります。ARSでは、単にシステムを導入するだけではなく、データサイエンティストがレコメンドの結果を検証し、精度が上がっていくよう、エンジンを最適化するチューニングサービスも行っています。また、需要が急増した際の柔軟なスケールアウトなど、運用面も含めサービスとして利用できるようパッケージ化し、レコメンドの業務がこれまでなかったような組織・企業で、業務が定着化していくところまでを総合的に支援するサービスとなっています。
レコメンドと一口にいっても、その奥は深く、様々なタイプがありますが、ARSでは対象者特定型レコメンドと対象者非特定型レコメンドが実装されています。対象者特定型は顧客のID、属性、嗜好を直接指定してレコメンドをするもので、事前に対象顧客の年齢性別などの属性やゲームが好きだとか、映画が好きだとかの嗜好を把握したマスター情報を持っておき、一方でレコメンドするアイテムのコンテンツも事前に属性化し、顧客の属性とマッチする場合にレコメンドを作るものです。
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