購入の際にハードだけでなく
ソフトも検討して決断すべき

 先日、ある方からこんな話を聞いた。

「マンションを購入し、晴れて新居に引っ越したのだが、なんだか、住み心地がよくない」

 具体的に聞いてみると、「周辺の環境の満足度が低い」、「同じマンションの住人とのコミュニケーションがどうもしっくりいかない」などと、マンションそのもの(ハード)には納得しているのだが、環境というソフトがどうも不満だということだった。

 マンションを選ぶ際に、さまざまな条件下で選択した候補物件の中から、最終的な1邸を決めるのはなかなか勇気のいることだ。たいてい人は予算と立地、間取りや設備などのハードの部分を重視している。多くの方々の相談に乗っていて感じることは、「住み心地というソフト面にはどれくらい重点を置いているのだろう?」ということだ。

 満足できるマンションを購入するためには、ハード面だけでなく、ソフト面も十分に検討しなければならない。今回と次回では、こうした点を考察してみたい。

2013年新築着工戸数は増え
新築マンションもよく売れた

 1月末に、2013年12月分の新築着工数が発表され、1年間の新築着工戸数の総計が明らかになった。総計は98万戸で前年対比111%。5年ぶりの100万戸越えこそならなかったものの、リーマンショック後の最高数値だった。そして、新築マンションは26万戸超で、前年対比107%だった。

 新築マンションの数字で際立ったのが、契約率(首都圏、近畿圏)の高さだ。年間ベースで、79.5%(首都圏)、79.6%(近畿圏)という80%に迫る高水準で、特に6~9月は80%超えの水準が続いた。消費税増税前の駆け込み需要もあっただろうが、それ以上に景気回復気配が後押しした結果だと推察できる。

 特に、近畿圏では、2011年~12年は、低水準が続いていたが、2013年は首都圏を上回る好調が続いた。梅田北ヤードのマンション開発、グランフロント大阪のオープン(2013年4月26日)と、2013年の大阪エリアは不動産市況全般的に活況だった。