ポジションペーパーを作成しながら、記者からの質問を想定します。
企業機密にかかわることや個人のプライバシーに関連することなど、絶対に公開してはいけないこと以外はすべてオープンにすべきです。ここが平時とは異なるポイントになります。
緊急時には細かい基準を作ってもまず成功しません。守るべきものは何か、企業イメージか、従業員の命か、市民の人命か、その時の状況に応じて守るべきものの優先順位を決め、公表する内容を決めます。
また、発生と同時にさまざまな問い合わせがきますので、問い合わせ内容と回答はすべてメモし、Q&A集として情報を共有化しましょう。
想定質問を考えるという作業は、マスコミ対策を考える上でとても役に立ちます。理由は、記者の立場に立って考えることを通して、記者の心理や行動を予測することができるからです。記者の質問を想定することができるようになれば、落ち着いて対応することができるようになります。また、メディア戦略として記者の質問を想定しながら、記者会見の中身を組み立てるということもできるようになります。
つまり、記者から質問がありそうな内容については、「聞かれる前に、説明をする」という戦略がとれるのです。記者はいつものようにあの質問とこの質問をしよう、と待ち構えています。そこで最初に記者が欲しい情報を発表してしまえば、質問の数を減らすことができ、場当たり的な応対から発生する心理的負担を軽くすることができます。
「事件・事故発生時から現在まで」に、
質問は集中する
記者からの質問を考える場合は、過去・現在・未来と区分すると作りやすいでしょう。