4.事業別・商品別利益を把握してクロッシングを行う
会社全体の数字を把握することも重要ですが、それらの原因を個別にチェックすることも重要です。
会社によっては、商品別、事業部別、地域別、営業担当者別といったように、それぞれの部門に応じて損益や資金繰り状況をチェックすることで、自社の全体像の内訳が把握できるようになります。
例えば、4つの事業を営んでいる場合、どの事業が最も利益に貢献している事業か、またどの事業が最もキャッシュフローが良い事業なのか、といった点も把握できます。
さらに、これらの部門別の数字をもとに、自社の事業をクロッシングすることができます。
クロッシングとは、「育てる」「攻める」「守る」「捨てる」という4つのカテゴリーで自社の事業を区分する方法です。
・育てる…これから市場の伸びが期待される事業で、自社でも将来の売上の柱となる事業
・攻める…まだまだ成長していて、既に自社の売上の柱になっているが、広告費をはじめとする経費の支出も多い事業
・守 る…市場の成長も鈍化し、売上も低成長になりつつあるが、経費の支出が少ないため、利益を稼ぎ出している事業
・捨てる…市場が縮小し、売上も低下しており、利益を出せなくなっている事業
この4つのカテゴリーに自社の事業を分類することで、各事業の立ち位置が明確になり、それぞれの事業に見合った戦略(人員配置や広告宣伝費をはじめとする営業経費の配賦割合の調整)を展開できるようになるのです。