3.目標数値に根拠を持たせる
多くの会社では、営業社員に対して、売上や新規契約などの目標が課せられます。
目標があることは、営業社員にとっては達成基準が明確になるので良いと思いますが、問題なのは、なぜその目標数値になっているのか?という点です。
例えば、昨年度対比を上回る目標を設定して、その目標を達成したとしても、それ以上に経費がかかってしまい、結果的に赤字になるケースがあります。
また、新規目標を掲げて、その目標は達成したものの、既存客の維持ができず、結果的に赤字に陥るケースもあります。
このように、目標と掲げた数字自体にズレがあると、たとえその目標を達成したとしても赤字になってしまうのであれば、目標そのものが意味をなさなくなってしまいます。
そこで重要なのが、目標に根拠を持たせることです。
単純に売上目標を「昨年度対比110%」とか「売上目標10億円!」と決めるだけでなく、その数字を達成すると、本当に黒字が実現できるのか? その点を検証する作業が必要になってきます。
売上目標を立てる場合は、先ほどの変動損益計算書を活用して、目標となる税引後の当期純利益の目標金額を決め、そこから上に向かって経常利益、限界利益、売上高と目標値を逆算して設定すると、根拠のある数値目標が立てやすくなります。
また、新規目標に関しては、既存客だけでどれだけの売上や利益金額が維持できるのかを検証します。そのうえで、その補完部分を新規客の獲得によって補うように設定すれば、既存客・新規客それぞれの目標設定が行えます。