他にも興味を引いたのは、「2014年のIT関連の支出の4分の1は、IT関連予算外で生じるだろう」とCIOが回答していることだ。しかし次に述べるように、おそらくこれは非常に控えめな予測だろう。なぜなら、この数字はCIOが把握している支出の範囲に過ぎないからだ。実際には、その数字を大幅に上回るだろうと筆者は見ている。

 最後に、デーブらはITの活用には、「適切さと迅速さ」「安全と革新」という、IT活用特有の矛盾が存在すると述べている。エンタープライズITの第2の時代では、ITを適切に利用するには計画と実行がすべてだった。

 しかし今CIOに求められているのは、スピード、イノベーション、そして不確実性に対処することだ。そのためには、 “2重モードのケイパビリティ”と呼ぶべきアプローチが必要だ。つまり従来型ITである“安心・確実”な運用を行うと同時に、迅速でアジャイル、ノンリニア(非線形)にも対応していくことが求められてくる。

 今後のブログでは、2重モードのケイパビリティを組織に導入する際にCEOが知るべきことや、戦略的なケイパビリティへとシフトしていく中で、CIOをどのように関与させるかについて、議論を展開したい。

(翻訳:ダイヤモンド・オンライン IT&ビジネス)
原文:The Only Certainty Is Change for CIOs In 2014 by Peter Sondergaard.

日本の読者向け解題

 デジタル化の波は日本でもCIOを不安にさせているようだ。以前、あるクライアントからデジタル化が進む中で、いったいどこにどのようなIT投資をしていくべきかわからないという相談を受けたことがある。デジタル化と聞くと、なにか凄いことをしないといけないような気持ちにさせられるのだろうか。

 デジタル化によって、ビジネスのあらゆる要素やその運営手法は、ガートナーが言う「Nexus of Forces:力の結節」や「すべてのインターネット」(Internet of Everything)と無縁ではなくなる。顧客や住民にいかに直接働きかけるか、どうやってサービスを提供するかと言ったことに密接に関わってくる。

 例えば、今後ますます進む高齢化社会、しかも富裕層の多くがこの高齢世代をみると、高齢化社会に「優しい」デジタル化を実現するためのIT戦略も一案に思う。

 高齢になってくると容易に外を出歩くのが困難になってくるため、時に孤独感を味わうことが増えてくる。ベッドで横になりながら友達とチャットやメールをしたいと思っているかもしれないが、若者と違って、さすがに小さなスマートフォンで画面操作をするのは難しい。

 デジタル化の波が押し寄せて備えが十分でないCIOが多いとの調査結果があるが、これからの高齢化社会で求められるデジタル化のニーズは何か、実はその答えを持った顧客は意外にも身近なところにいるかもしれない。

(高野敦史・ガートナー ジャパン コンサルティング部門 シニア・ディレクター)