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ゲームを世界展開して成功するためには
徹底的な「ローカライズ」が欠かせない
――Kabam ケビン・チョウCEOに聞く

大西洋平
【第36回】 2014年3月13日
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「パズドラ」もプレイしてみたが…

――昨年、日本では「パズル&ドラゴン」というオンラインゲームが空前のヒットを記録しました。ケビンさんはプレイした経験がありますか? ご存じなら、同ゲームのことはどう評価されていますか?

 もちろん知っていますし、私自身もプレイしてみました。英語にも翻訳されていますから。

 けれど、残念ながら日本以外では今のところ大ヒットとまではいっていないようです。おそらく、海外展開にあたっては現地の人たちの好みなどを踏まえてローカライズすることが肝心だということを、ゲーム会社があまり考慮していなかったのでしょう。単に翻訳すれば、他の国でも同じように受け入れられてヒットするものではないのです。

 その点、Kabamは海外展開の際にはローカライズを怠りません。米国で人気を獲得した作品を欧州に展開するケースが多いのですが、必要だと判断すれば、キャラクター設定やアートのタッチまで変更したうえで、現地でリリースするようにしています。欧州と米国でも好みが異なっていますし、同じアジアであっても、日本と中国ではかなり違います。

キャラクターの肌の色まで
地域ごとに切り替えて売る

ゲームのローカライズの例。画面の左半分がオリジナルの「三国志」をベースにしたゲーム(中国でリリース)、右は同じゲームを中世を舞台にした設定に変更して、欧州でリリースしたもの。Kabam提供

――具体的に、ゲームのローカライズの実例を教えてください。

 たとえば、最初は米国向けに開発した「Edge world」というタイトルをドイツにも展開した際には、主人公のキャラクターデザインを見直しました。もともとは青い肌で髪の毛が赤い女性だったのですが、そのままではドイツ人には好感を持たれないと考えたのです。

 そこで、髪の毛はそのままにしたものの、肌は白色に変え、さらにストーリーにも若干手を加えて、ドイツ人が好みそうな筋書きに修整しました。

 また、中国で開発された「三国志」がベースになっているタイトルを欧米で紹介する際にも、ローカライズに知恵を絞りました。中国では誰もが三国志のことを知っていますが、欧米の人たちはその世界観がまったくわかっていないからです。だから、ストーリーを抜本的に見直して、中世のアーサー王のようなタッチの内容にアレンジしました。

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大西洋平
[ライター]

出版社勤務などを経て95年に独立し、フリーのジャーナリストとして、「ダイヤモンドZAi」をはじめとするマネー誌や、「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、「週刊朝日」などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。


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