ネットオークションの転売で生計を立てているという経験者からは、「ひきこもり経済学部ネットオークション活用」学科や、どのようにすれば在宅ワークを始められるのかのノウハウを語る「ひきこもりワーク開拓」学科、ハローワークに通い続けてきた経験を生かした「ハローワーク活用」学科など、社会につながっていきそうなイメージのアイデアが次々に出された。

 一方で、デジタル社会についていけない不安があるとして、「デジタル社会についていけない不安」学科というものもあった。

 親子問題の視点からは、当事者が親にしてほしかったことを語る「親の理解が深まる」学科をつくって、「長期戦になっている親向けに、お金をとれるような仕組みにできたらいい」といった話や、幼少期からの「親の心理を研究する」学科という当事者から親に対する家族問題に言及したテーマも多かった。

 支援という視点からは、外に出られない当事者たちに触れ合う「ふれあいボランティア」学部を通じて、当事者が支援者に回れるような仕組みづくりの提案もあった。

 他にも、昼間は外に出られなくても「夜の犬の散歩に協力してくれる人がいてくれたら助かる」というニーズを当事者支援という形に変える「夜の散歩」学部や、結婚や恋愛、友情などへの思いから、自分の本当のエネルギーの源泉に向き合う「欲望」同好会や、「友人や異性との距離の取り方」学科といったユニークなアイデアもあった。

活発な当事者のやり取りを見た
行政担当者の反応は?

 さすがに、100人を超える人数が集まると、「ひきこもり大学」も一方通行になりがちで、全員が参加できないという課題は残された。ただ、大きなエネルギーのようなものを感じるし、引きこもり当事者ならではの目線やコミュニケーション方法があるということを改めて認識させてくれる。