ポイント制採用の競技は
転戦が必要で費用は巨額に

 遠藤議員は選手の個人負担金についても言及する。前回の連載では、日本パラリンピアンズ協会が2012年8月に発表した活動資金に関する聞き取り調査の結果を紹介した。

 ロンドン大会やバンクーバー大会に出場したパラリンピック選手やスタッフら232人から得た回答の結果、年間活動費の自己負担分が平均で年間140万円を超え、北京大会時よりも30万円以上増加していた実態が明るみになっている。

「額に差はあるものの、今でも大半の競技団体が選手らに自己負担を求めざるを得ない状態だ。例えば、私の地元には女性フェンシング選手がいて、この選手はすでに引退したのだが、年間で500万円ほど集めなければ世界を転戦することはできなかったそうだ。選手もみんなが一緒の環境にあるというわけではなく、スペシャルクラスの選手たち、つまり金メダル獲得が期待されるようなアスリートには強化資金がきっちりと行くし、場合によっては企業もサポート体制を組んでくれるが、その手前までの選手にはそれほど大きな経済的支援が出てこない。

 企業に入って活動する選手は、遠征費などを企業に出してもらえる場合が多いが、企業に入らずに個人で活動を行う選手はスポンサーを見つけて活動資金を捻出しなければいけないのだ。ポイント制を採用する競技も増えており、オリンピックに出場するために世界各地で行われる大会に出場しなければならないケースも少なくない。

 選手が世界各地で転戦しなければならないルールはトップクラスの選手でも、その次のレベルの選手でも同じだが、活動資金に個人差が出てくるため、あるレベルまでの選手には強化費を回せる体制にすべきだと考えている」

海外と比較すると
ケタ違いに低い日本の強化費

 国からの補助金なしでは、海外で行われる大会への遠征すら困難な現実。各競技団体が自ら活動資金を捻出することは難しいのだろうか? 遠藤議員が続ける。

「各団体の関係者は資金捻出のため努力を続けており、先ほど紹介したフェンシング協会にしても、年間で数億円を集めている。会長や他のスタッフが資金を集め、時には自らのポケットマネーを使って資金捻出のやりくりをしているのだ。それでも足りないのだ。

 補助金の仕組みも絶対額も、見直しが費用な時期に来ているのだ。国から支援する形というのは、国が直接出す場合とスポーツ振興センターを経由する場合の2通りあり、スポーツ振興センターではサッカーくじで得た収益が強化費に回される。またオリンピック委員会が集めてきたスポンサー料も強化費として各競技団体に分配されている。

 強化費の配分の仕方を一本化し、より透明性のあるものにしなければならない。スポーツ庁が新設されるが、強化費の流れはきちんとその中で透明性を持ってチェックされるべきなのだ」