国によるスポーツへの支援は、他のオリンピック強豪国と比較すると、その額が著しく低いとされている。元陸上日本代表の為末大氏は2月11日付の日刊スポーツで、各国の強化費の額を具体的に紹介し、アスリートへのサポート体制が十分ではないと指摘している。

 北京大会が行われた2008年の年間強化費は日本の約25億円に対して、ドイツが約274億円、アメリカが約165億円、イギリスと中国がそれぞれ約120億円という具合だった。

 遠藤議員は他国よりも少ない予算でアスリート強化に努めてきた日本の現状について語る。

「かなり前の話になるが、文化予算とスポーツ予算の額がほぼ同じだった時期があった。文化予算にはハコモノも多く含まれ、予算が増え続けた結果、1000億円にまで到達した。スポーツ関連予算は250億円程度に落ち着いている。これはスポーツの普及や強化など全てを含めての年間予算で、この中からトップアスリート向けの強化費が捻出されるのだ。

 強化も今までのようにバラバラでやるのではなく、資金の流れをしっかりするためにも、強化の流れをスポーツ庁で見ていく必要があるだろう。オンブズマンや第三者委員会的なものは必要ないと思う。会計検査の対象なるため、資金の流れは厳しくチェックされるはずだ」

理想論は普及費が先
現実論は強化費優先

 遠藤議員はスポーツ政策の理想と現実についても語り、アスリートのステータス向上に国ももっと積極的に協力すべきだと主張する。

「日本のスポーツは学校教育からスタートしており、スポーツを通じた教育があり、それと並行する形で武道があるのだ。これが問題でもあるのだが、楽しく明るくスポーツをやろうという発想がこれまでは希有だった。これまで「強化」と「普及」のどちらが大切かという不毛の議論が延々と繰り返されてきたが、理想論としては普及が先に来るべきだと思っている。

 普及をするためには施設の整備・建設やスタッフの確保も必要になってくる。そのために予算が新たに必要になってくるわけだが、スポーツを普及させるための土台作りを納税者に理解してもらうためには、世界的に活躍するアスリートを輩出する必要もある。全然知らないスポーツでもメダリストが出ることで、その競技やスポーツ全体に注目が集まることは間違いない。現実論は強化が先であるべきだと私は考えている。

 個人的な意見だが、金メダルを獲得した選手には無条件で国民栄誉賞を与えてもいいくらいだと思っている。世界で一番になるというのは本当に大変な事なのだから。日本でもメダリストが企業から報奨金をもらう場合があるが、国としても何かできないのだろうか? 他のオリンピック強豪国ではメダリストに1000万円近くの報奨金を出しているが、日本は300万円ほどだ」