結局、消費税増税の反動減は心配していたよりも小さかったのではないか。まだ誰も大きな声で言わないが、筆者はそのように感じている。

 消費税の反動減で怖いのは、食料品や日用品ではなく、自動車と家電製品である。トイレットペーパーをどんなに買い貯めても、せいぜい1年で家庭の在庫はなくなる。ペットボトルの水・清涼飲料やコメ、酒、たばこも、多かれ少なかれ短期間の在庫でしかない。

 しかし、自動車や家電製品は、一度駆け込みで買ってしまえば、消費者は平均10年近く買い換えない。内閣府『消費動向調査』(2013年3月)によると、耐久消費財の平均使用年数は、冷蔵庫10.8年、エアコン11.6年、自動車7.9年と長い。耐久消費財のストック調整圧力こそ、景気に長期にわたる悪影響を及ぼす。

 個々に見ると、自動車販売は1997年のときよりも販売の伸び率こそ増えたが、1月にピークを付けた後、2、3月は伸び率が鈍化した。家電製品は、冷蔵庫、エアコンの駆け込み需要は目立ったが、他の家電製品への広がりはあまり見られなかった。

消費税増税後に始まる
「不足経済」への転換

 筆者の関心は、もっと先の経済情勢である。もしも反動減が大したダメージでなければ、2014年後半から2015年の成長力はどのくらいになりそうか。

 先々を見極めようというとき、1つのキーワードは「不足」になろう。すでに人手不足感の強まりはかなり大きい。現在の失業者数は233万人(2014年2月)と、2007年以来の低水準である(図表1参照)。

 2009年7月のピークである364万人から、毎月▲2.4万人のペースで失業者が減っていき、現在の失業者数は当時の3分の2の人数に減っている。最近の失業率低下は、駆け込み需要に反応した部分は少ないと考えられるから、反動減の影響も小さいだろう。